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(2)心の底から応援し続けた男/鰐石春馬
卓球リーグ戦には普段の大会にはない、独特の雰囲気がある。その独特な雰囲気をつくっている大きな要素が「応援」だ。この「応援」によって代々木第二体育館は普段の大会とは違う空間に包まれる。力強い声援に後押しされ、普段以上の力を発揮し、格上の選手に勝つプレーヤーも少なくない。リーグ戦は「チーム力の明治」を最も感じられる時だ。そして今年、そんな明治の応援の常に先頭に立ち、秋季リーグ4連覇に貢献した男こそ、応援団長・鰐石春馬だ。 応援への思い。そんな鰐石に、なぜそこまで応援に熱くなれるのかと質問をしてみると、「試合には出れないけど、いつでもベストを尽くしたいというプライドですね。そして最後部活が終わった時に涙を流せるまで頑張りたい」。彼の応援に対しての思いは中途半端なものではない。 明治を感じた。6戦全勝で迎えた最終日、早大に勝てば悲願の秋季リーグ4連覇という大一番。この日も鰐石は先頭に立っていた。休日ということもあり、多くの観客が足を運びいつにもまして熱気あふれる代々木第二体育館。「たくさんの人がいたので、明治は応援も凄いということを伝えたかった」。その言葉通り、試合前の校歌斉唱はいつも以上に気合いが入っていた。そして試合が始まると明治の選手が一球一球決めるごとに熱くなる応援席。「心からチーム一丸になった。みんながいるからこその明治だと強く感じた瞬間でしたね」。チーム一体となって戦う明治は早大を圧倒し続けた。 明治がくれた。そしてエース・水野(営4)の鋭いドライブが決まった瞬間、「明治」全員が優勝の喜びを爆発。鰐石は、この1年間苦しんでチームを引っ張ってきた小野主将(商4)とハイタッチを交わした。「でも言葉は交わしませんでした。えっ、なんでかって。今までありがとうって目で小野から感じられたから」。選手と応援が一体になっていたからこそ言葉でなくても分かり合える。この経験はチーム力の明治だからこそ味わえたに違いない。 引き継ぐ伝統。試合後、鰐石のそばに駆け寄ってきた選手がいた。このリーグ戦中、鰐石に続く大きな声援を観客席からコートに送っていた、明治のムードメーカー・庄司(商3)だ。そんな庄司に鰐石は「明治は一人じゃない。全員で明治だ」と声をかけた。庄司は「鰐石さんはすごい。応援団長は鰐石さんしかいない。自分は張り切った応援で応援団を引っ張って、来年もチーム一体となった応援をしていきたい」。明治の素晴らしき伝統はまたこうして引き継がれていく…。READ MORE -
(17)根田雄一
卓球卓球が好きかという問いに「好き」と一言。姉の影響で6歳から始めた卓球。13年間続けている競技にそう即答できる彼はかっこいい。 卓球界のエリート校、仙台育英高校出身の超新星・根田雄一(営1)。高校時代に出場した全日本選手権男子ジュニアの部では平成18年19年と2年連続でベスト16入りを果たし、高校3年次のインターハイ男子団体では2006年世界ジュニア選手権を制した日本期待の松平健太(青森山田高)に見事勝利。大金星を挙げた。 バックハンドでのプレーが得意な彼。フラット系・ドライブ系の球を自在に使いこなし相手を翻弄する。特に後陣から放たれる鋭いバックハンドドライブは、プレー中相手に押され後ろに下がってからも攻撃に転じられる点で大きな武器となり、ラリーで優位に立つことができる。試合中「今、俺かっこいい!!」と思える瞬間は?とメールで聞いてみる。すると案の定「バックハンドを決めた時」という返信が照れ顔の絵文字つきで送られてきた。見ていて思う、「確かにかっこいい」。 春に続き秋季リーグでも活躍なるか。普段は至ってクールな性格。調子はどう?と聞くと「普通です」と返ってくるのにはもう慣れた。以前ライバルだと語っていた川端(日大・高校時代のダブルスパートナー)のいる日大が秋季リーグから1部昇格を果たしていることに対してのコメントでも「特に気にしていません。誰が相手でも勝たなきゃいけないからね」とそのクールっぷりを存分に発揮。しかしそれもひとたび試合に入ると一転する。 冷静な点は変わらない。ガッツポーズも控えめな彼だが、必死にボールに食いつきラケットを振り抜く姿や気合の入った「ヨォォ!!」という叫び声には冷静さの裏にある熱い闘志が見え隠れする。入学直後の春季リーグ戦では大学トップクラスの選手が集まる本学で1年生ながらレギュラーとして出場。4戦3勝と期待どおりの活躍を見せた。1敗は早大のエース笠原。今年の関東学生の頂点に立った実力者だ。それでも、根田は入学してからの半年を振り返って一番悔しかったことはこの1敗だと語る。個人戦の1敗より団体戦での1敗を悔やむ姿に明大の次世代を担うエースの萌芽を見た気がした。 「インカレ制覇と秋季リーグの5連覇」を彼は今年の目標に掲げた。先月行われたインカレで本学は12年ぶりに冠を制し一つ目の目標はすでに達成済み。残る秋季リーグも9月15日から開幕し、連日5連覇に向け負けられない戦いが続いている。オーダーによっては実現する可能性があるライバル川端との一戦。春の新人戦で敗れているだけに、秋では借りを返したいところ。せわしい毎日に「時間があったらとりあえず遊びたい」と根田は言う。分かる。忙しいのは分かるがいちファンとして彼に期待を寄せる私から一言。“秋優勝するまでガマンして!!”READ MORE -
池田主将がシングルスでベスト4/関東学生選手権
卓球4日間にわたって行われた今大会。ダブルスは竹之内(商4)・仲田(商4)組のベスト8、シングルスは池田主将(法4)のベスト4が最高と、昨年の同大会を上回る結果は残せなかった。READ MORE
特集記事 SPECIAL
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【卓球部】卓球界の王者たれ2022
卓球界の王者たれ。世界で活躍する選手を幾度となく輩出し、常に大学卓球界トップに君臨し続けた明大卓球部。今年度も松下竜巳主将(商4=野田学園)を筆頭とする新体制で、ここ4年遠ざかっているグランドスラム達成に向け、まい進する。本特集では、懸命に卓球に向き合う選手の姿を特集していく。READ MORE -
【卓球部】卓球界の王者たれ
卓球界の王者たれ。数々のスター選手を輩出し、先頭を走り続けてきた名門・明大卓球部。今年度は、藤井宗太主将(政経4=秋田)率いる新チームに伝統のバトンが受け継がれた。5月に行われた春季関東学生1部リーグ戦で優勝。最高のスタートを切ったチームは、ここ2年遠ざかっているグランドスラムへ。本特集は進化を続ける選手たちを取り上げる。READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
1931年に創部されて以来、世界で羽ばたく有名選手を数多く輩出してきた卓球部。2016年のリオデジャネイロ五輪では水谷隼(平25政経卒・現木下グループ)、丹羽孝希(平29政経卒=現スヴェンソン)が代表選手に選ばれ、団体戦史上初の銀メダル獲得に貢献した。 「卓球界の王者たれ!明治大学」というスローガンを掲げ、寮にある練習場で毎日練習を行っており、技術力だけでなくチーム力も培っている。大学卓球界にその名を轟かせてきた〝古豪・明治〟は、現在も新たな歴史を刻み続けている。