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新時代へ 頼もしいルーキーの力で登頂成功/新人合宿
山岳 2019.08.23◆5・1~5 新人合宿(長野県・唐松岳周辺) [参加者]小田・川嵜・長嶺・朴・水野 新時代の幕開けだ。年度が変わり大きくメンバーを変えた明大山岳部。今年度は昨年度以上に部員間のコミュニケーションを図ることを意識。まずは1年生に「山を楽しんでもらう」(小田英生主将・農4=琴平)ため、例年通り新人合宿に挑んだ。 初陣を登頂で飾った。今回目指したのは長野県・唐松岳。1週間前に同ルートをたどって事故で亡くなった方がいるなど、決して容易な道のりではなかった。しかし主将中心に「安全登山」を心掛けることで、一つの事故もなく無事に行程を終えた。 合宿の目的は、1年生の基礎的な歩行や雪上においての技術面の訓練。目的遂行に尽力した主将はこの合宿に「80点」と、合格点を与えた。 主将が奮闘した。上級生として参加したのは小田主将のみ。一人で1年生4人の面倒を見なければいけないという状況に、「考えることが多かった」(小田主将)。頭を悩ませる場面が多かったものの、とにかく「安全登山」を心掛けながら一つ一つの判断を下した。そんな中主将が感じ取ったのは「1年生の山に対するモチベーションの高さ」。今年の1年生は例年の1年生よりも技術の習得が早く、優秀なメンバーがそろった。その中でも特に存在感を放ったのは、スポーツ推薦で入部した長嶺武(農1=北社)。高校時代山岳スキーで培った体力はさながら、「ほかの1年生を盛り上げてくれた」(小田主将)ことを特に評価した。「1年生全員で協力して合宿を乗り越えられたことは強みだと思う」(長嶺)。ルーキーたちの結束の強さも登頂につながる一つの要因だったことは間違いない。 次の夏山合宿で目指すのは南アルプス。今回新たな風を吹かせたルーキーたちがどのような姿を見せてくれるのか、さらなる期待がかかる。 [川和健太郎] ※写真は山岳部より提供READ MORE -
昨年度のリベンジへ アクシデント乗り越え無事完遂/夏山合宿
山岳 2018.12.11◆8・5~17 夏山合宿(山梨県・北岳周辺) [参加者]小清水・小田・鈴木・服部 全てを出し切った。体力の強化を目的として行われた夏山合宿。日本第2位の標高を誇る北岳を含む行程を何とか完遂し、昨年は失敗した冬山へ弾みをつけた。 自然の気まぐれに翻弄(ほんろう)された。今年はルーキーがおらず、経験豊富な2年生以上で構成されている山岳部員。2年生の体力養成が最大の目的であったため、昨年度から日程を2週間に伸ばした。50キロ以上の荷物を持ち、長いときは12時間以上も移動し続けたが、この1年間の経験を生かして粘り抜いた。昨年度から成長したところに「食事当番やテント設営は問題なくできたし、体力面もあまりばてなかった」(服部晃太郎・国際4=鎌倉)ことを挙げた。5月には上級生合宿があり、体力面の課題を見直したという。トレーニングを週2,3回行うことを宣言し、それぞれがきちんとこなしてきたことが結果に表れた。しかし、最後の3日間に待っていたのは自然の脅威ともいえる台風。例年の夏山ならば暑さによる熱中症や脱水症状が懸念される時期だが、今年度は寒さにやられ、「濡れないように早く行動したり斜面の下に入って風をよけたりする工夫をしながら進むしかなかった」(服部)。ラジオの電波も入らず、気象情報も分からなかったが、地図だけを頼りに進み続けて何とか完遂に至った。精神的にも苦しかった時期を乗り越え、「とにかくやり切った」(小清水健人主将・農4=韮崎)と達成感があふれ出た。 冬山決算合宿で目指すのは、昨年度は登頂を逃した北アルプスの猫又山。白い雪化粧に身を包んだ毛勝三山の一角は「野生動物が死んでしまう」(小清水主将)ほどの寒さである豪雪地帯だ。今回の合宿では、「自分のやるべきことが分かっていた」(服部)と、昨年度よりもスムーズな行動ができたことに手ごたえを感じたメンバーだが、昨年度は不意の天候不順に悩まされたこともあり、一筋縄ではいかぬ合宿であることは間違いない。それでも「いろんなことがありながらも、なんだかんだみんなで下山したのはある意味力だと思う。他の山岳部だったら、あの場面で合宿を終えているかもしれないが、それをせずに(足を)引きずってでも行くと決めてゴールしたのはすごいことだと思う」(服部)。大きな自信を得るとともに結束も一層深まった。昨年度の二の舞にならぬよう、極寒の冬山へ準備を進めていく。[川和健太郎]※写真は山岳部より提供READ MORE -
3年連続の登頂ならず 課題浮き彫りに/冬山合宿
山岳 2018.02.09冬山連続登頂は2年で途切れた。当初は富山県にある毛勝三山の一つ、猫又山山頂を目指していたが、ルート整備や偵察に難航。急きょ稜線上にある大猫山に変更した。しかし、大猫山のアタック中に天候が悪化し、登頂を断念せざるを得なかった。雪山の難しさを思い知らされた合宿となった。 厳しい現実を突きつけられた。1年間の集大成である冬山合宿は、4年生が不在のため「決算合宿」ではなく、来年を見据えた訓練の意味合いが強かった。今回は、3年前に登頂できなかった北アルプスにある猫又山に挑戦。冬山は腰ほどまである雪が積もっている道を進んで行かなくてはならない。そのため、ラッセル(雪をかき分けながら進むこと)の技術、体力が必要だった。初めての本格的な冬山登山となった1年生、雪山を経験している上級生も「少し進んで、すぐ疲れてしまった」(服部晃太郎・国際3=県立鎌倉)と想像以上の残雪に苦戦。このため、同じ登山道を何日もかけて繰り返し登る日もあった。思い通りに進まないもどかしさから、隊全体の精神面も追い詰められた。また、1年生の仕事である食事当番も日程が進むにつれ、制限時間内に仕事を終えることができなくなってしまった。雪のために1年生を強化できていなかったことから上級生も食事当番を手伝うも「水の確保に雪を解かすのだが、時間配分が難しかった」(鈴木光・農1=浜松日体)。これらの影響で、整地されていない登山道のルートの整備、山頂までの偵察が遅れ、当初の予定からずれ込んだ。そこで、猫又山から近くにある大猫山へと目標を変更。下山前日にアタックした。しかし、挑戦中に天候が悪化し隊の行く手を阻んだ。これを受け、小清水健人主将(農3=韮崎)は下山を決定。ここで、今年度の冬山合宿は終わりを迎えた。この結果に「ピークには達することができなかったので残念」(小清水主将)と悔しさをにじませた。それでも、今年度は人数が少なかったため、隊の全員が背負う荷物の重量は重かったものの、この合宿では「重い荷物を背負うことに少し慣れた」と鈴木。小清水主将も、「雪の中で生活を行う経験が必要だと思っていたので、概ねできていた」と収穫もあった。 来年度の登頂成功に向けて一から立て直す。冬山合宿では「自分の悪いところが明らかになった」(服部)と想定外の雪山に順応できず、1年生の地力の強さを発揮することができなかった。新人合宿までに、まずは各学年の仕事をしっかりとこなせるようにトレーニングを行う。小清水主将も「まずやらないといけないのは下級生の強化」と部員の少ない山岳部にとって、下級生の一層の成長は冬山合宿踏破に不可欠だ。また、来年度も小清水が主将を務めるため、、チームワークにもさらなる磨きがかかる。そして「来年は同じ山なので登れるように頑張る」とリベンジを誓った。反省を生かし、山岳部は再び前を向いて歩みを進める。[髙橋昇吾]READ MORE -
ルーキーが着実に進歩 日数減少も無事に全行程完遂/夏山合宿
山岳 2017.09.143000メートル級の山々を登頂し、夏山合宿を無事に踏破した。1年生の強化を目的とした今回は、参加人数を考慮し例年の半分の8日間で挑戦。3日目の長時間歩行で疲労が限界になり、1年生の仕事であるテント設営に時間をかけてしまった。それでも、食事当番は合宿全日とも時間に間に合わせるなど1年生が大きく成長。集大成である冬山合宿登頂へ期待できる充実した合宿となった。 最大の難所は3日目だった。早朝5時に起床し登山を開始。通常は、午後2時までの行動だが、途中の登山道が片方の斜面が切れ落ちていた。そこは足を踏み外せば危険が伴う山道で思うように前へ進めない。さらに、いつもは先頭に起用しない1年生が先陣を切ったことで歩行のペースが低下。目的地にたどり着いた時には午後8時を回っていた。「3日目の遅れはかなり大きいものになってしまった」(小清水健人主将・農3=韮崎)。さらに、キャンプ到着後のテント設営と食事当番に苦戦。「疲れと眠気があり、きつかった」(鈴木光・農1=浜松日体)。初日、2日目と予定通りに完遂していただけに、今後の課題である体力の低さが露呈した登山となった。その後は、北岳を中心に周辺の山を次々と登頂しては下山を繰り返し、無事に全行程を終えることができた。難しい合宿ではあったが収穫もある。小清水主将は「今回は1年生に自主的に動いてもらいたかったが、それができていた」と下級生の確かな成長を実感。冬山決算合宿では、前回の合宿から能力の高さに定評があるルーキーたちの活躍に期待がかかる。 地力の強さを見せつけた。今年の夏山合宿参加者3人の内1年生が二人。人数減少に伴い今まで通りの準備ができず、小清水主将は山岳部伝統の完全分担制を見直した。「1年生の役割もかなり増えた」(小清水主将)。このイレギュラーな事態にも1年生二人は落ち着いて仕事をこなし、合宿を成功に導いた。ルーキーの大車輪の活躍に小清水主将は「新人合宿よりかなり成長が見られ、ほぼ満点に近いくらいの合宿だった。1年生に求めるレベルとして今は十分だと思っている」と太鼓判を押す。しかし、合宿の目標である体力強化について「歩行でいっぱいいっぱいになってしまい、景色を見ることができなかった」(鈴木)とさらなるレベルアップの必要性が身に染みた。それでも、「3日目の厳しい歩行で、1回も弱音を吐かなかった」(服部晃太郎・国際3=県立鎌倉)。冬山決算合宿に向けて精神面はさらなるステップに進んでいる。山岳部の合宿の中で最も厳しい登山になる決算合宿が次に控える。次に向けて鈴木は「重荷に慣れていないためその体力をつけていきたい」とすでに前を向いた。決算合宿では、ルーキーながら即戦力の活躍が期待される鈴木と服部はさらなる飛躍を誓う。 3年連続の冬富士の頂を極めたい。このところ2年連続で登頂に成功している山岳部。冬山は今回と大きく異なり、ラッセル(雪をかき分けながら進むこと)を登山中に行わなければ前へ進むことができない。登頂成功のためには、体力のさらなる強化は不可欠だ。小清水主将は「冬は環境も厳しくなる。荷物の量も多くなっていくので1年生がどれだけ対応できるかがカギになる」と1年生のさらなる奮起に期待を寄せる。冬山合宿に向けてすでに準備は始まっている。「基礎を固めていきたい」(小清水主将)。夏山合宿のように一人一人が最大限の力を発揮し、最終目標達成を成し遂げる。[髙橋昇吾]READ MORE -
新入部員が躍動し3年連続登頂成功/新人合宿
山岳 2017.08.10◆4・29~5・4 新人合宿(富山県・北アルプス)[参加者]小清水・小田・鈴木・服部 1年生が入部し、初めての新人合宿を成功させた。新入部員の実力養成のために毎年行われている新人合宿。まだ雪も残り慣れない1年生2人は苦戦した。さらに今回はOBの参加はなく学生だけでの登山。登頂も危ぶまれたが上級生が的確に指示を出し全行程予定通りに完遂。1週間という準備期間の中でうまくおのおのが調整し、ケガ人、脱落者を出さずに合宿を終えることができた。 今季初合宿を全員で完遂した。初日から天候に恵まれず雪も溶け切らない厳しい登山となる。さらに今回の合宿はOBの参加はなく学生のみで実施。重圧も大きかった。しかし「1年生は十分と力がある」(小清水健人主将・農3=韮崎)と入部して間もない2人が即戦力として機能。足元が不安定な道を登り続け新入部員たちは頂上の景色を見て達成感に満たされた。下山時体力不足から止まる場面も見られたが最終的にはケガ、脱落者はともに出ず新人合宿を成功で終わらせた。 今回登山前の準備期間は講習やクライミングなど登山経験の少ない1年生の不安解消のため充実させた。さらに小田英生(農2=琴平)は「上級生として1年生が登りやすいように心掛けた」と1年生を上級生が力強く引っ張るいい雰囲気も登頂成功の大きな要因となっている。しかし、現在山岳部には暗雲が立ち込める。8月時点で部員はわずか4名。これからの合宿を学生だけで行うのは困難な状態となっている。練習時間も限られており部員全体での活動が十分ではなく連携にも不安が残る。「数が少ないので一人一人のレベルアップが絶対に必要」(小田)と個々の力が強化これからの課題だ。 6月合宿は最悪の結果となってしまった。例年1年生は参加しない合宿だったが地力が強い2人に期待し隊への参加が認められた。新人合宿が終わり時間を置かなかったが「体力的には問題はなかった」(小田)と登り切る自信はあった。しかし、登山が始まり2日目。2年生の一人が雪面の硬くすべりやすいところで滑落事故を起こしケガを負ってしまう。結局合宿はそのまま下山となりまさかの結果に悔しさが残った。しかし、事故に際し小清水主将は冷静さを保ち「経験が役立った」と迅速な対応を行った。新人合宿が成功しいいイメージが出来上がってきた隊だったがもう一度部員全体で意識を整える必要が出てきた。 ルーキーが新たな一歩を踏み出した。今年の新入部員は、スポーツ推薦の鈴木光(農1=浜松日体)と元アメリカンフットボール部3年生の服部晃太郎(国際3=県立鎌倉)の二人のみ。だが、テント張りや食事当番など慣れない仕事量の多さに苦戦しながらも要所で潜在能力の高さを見せつけ全行程を完遂した。「止まりそうになった時に声をかけてくれる仲間がいた」(服部)と苦しくなっても諦めずに前へと歩を進めた。小清水主将は「新人合宿は大体失敗に終わるが、成功できた」と1年生を高評価。しかし課題も山積だ。中学校の同期に誘われ入部した服部は山岳経験が少なかったことが影響し、下山時体力の低さが露呈。途中で止まってしまうことがあり、自身の想像よりかなり厳しいデビューとなった。さらに「食事当番など初めての作業が多く、無駄が多かった」(鈴木)とわずかな時間の遅れが、隊全体に影響を与えてしまうことを思い知らされた。「体力で遅れをとっていたので何とかしていきたい」(服部)。初の合宿を終えこれからの指針は見え始めている。人数も少なく一年次から即戦力として期待を受ける2人。過酷な山岳部を通してどれだけ成長できるのか、今後の2人の活躍に目が離せない。 夏山合宿からもう一度立ちなおす。新人合宿、6月合宿を終えやるべきことは見えてきた。これまでの山とは異なり夏山では暑さとの勝負も待ち構えている。成功させるために「まずは体力」(小田)。そして1年生の力が必要不可欠だ。「登頂の瞬間は本当にやっていて良かったと思う」(小田)とその一瞬のために日々歩みを続ける。夏山を全員で登頂するために。全てを懸けて臨みたい。[東後太一・高橋昇吾]READ MORE -
2年連続踏破成功 宮武隊が集大成を迎えた/冬山決算合宿
山岳 2017.03.27最終目標であった冬山合宿を2年連続無事登頂した。例年より短い日数で行った今回の合宿は天候にも恵まれ順調なスタートを切る。まだ経験が浅い1年生を宮武尚史主将(農4=琴平)中心に上級生が常にサポートしケガ人、脱落者を一人も出さずに踏破成功となった。しかし、体調不良者が出てしまいOBに頼る部分も多く見られ部としての課題が垣間見える場面も。今回で宮武主将は引退。新たな明大山岳部が始まるが歩みを止めず進み続ける。 1年間の積み重ねが実った。毎年恒例の山岳部最終目標である冬山決算合宿を見事6人全員で踏破した。天候にも恵まれた今回の合宿は雪も少なく、ラッセル(雪をかき分けながら進むこと)の負担は大幅に軽減。1年生はまだ雪に対して順応してはいなかったが宮武主将中心に上級生が重量の荷物を運ぶなど終始引っ張り続けた。小田英生(農1=琴平)は「先輩たちが身体的にも精神的にも支えてくれたからこその登頂だった」と脱落者ゼロの影には上級生の力が欠かせなかった。この冬山合宿で4年生である宮武主将は引退。「明大山岳部は自分にとって修行の場でもあり自分を育ててくれた場所。今は4年間を終えられたという達成感でいっぱい」と山岳部で過ごした4年間は確実に宮武を成長させた。今季は4年生が宮武主将一人と部を結束するのに困難も伴ったが最終目標を一人も欠かすことなく成功させるなど明大山岳部の歴史に大きく名を残した。 「充実の1年になった」(小池龍一・法1=飯田)。新人合宿を終え早1年。これからは先輩となっていく3人が冬山を経て新たな姿を見せた。これまで幾度となく山へ挑み続けたが「冬山は少しの気の緩みで生死にも関わってくる」(小池)と緊張もこれまでの比とはならない。その中で3人は常にコミュニケーションを取り続け励まし合った。1年間続けてきた食事当番でも「確実にスピードも上がってきている」と成長を身に染みて感じている。染矢も「1年生は体力もついてきたし精神的にも変化がある」と頼もしくなった仲間の存在を喜んだ。しかし、全てが順調だったわけではなく途中上級生の動きについていけず足を引っ張る場面も見られた。「これからは面倒を見てもらう立場から見る側へと変わっていかなければいけない」(佐藤)。3人の力が山岳部の来季を左右していく。 新体制がスタートする。宮武主将が引退となり小清水健人(農2=韮崎)、染谷智成(文2=小田原)が中心となり新たな山へと挑戦していく。「責任は大きいが自分たちがまとめていかなければいけない」(小清水)と2人はもう前を向き次に備え始めている。また「先輩たちを支えられる存在になる」(佐藤)と力強く答えるなど山岳部の未来は明るい。新たな隊となっても「質実剛健」な登山スタイルは変わらず受け継がれる。楽な道では決してないが明大山岳部は来年の決算合宿へ向け立ち止まってはいられない。[東後太一]READ MORE -
成長を感じさせた夏 夏山合宿全行程を完遂/夏山合宿
山岳 2016.09.30標高の高い山々が連なる南アルプスでの夏山合宿を無事登頂した。体力強化を目標に行われた今回の合宿だが上り下りの多いコースに苦戦。しかし、経験も多い上級生が先導し7人全員で歩き切った。また、1年生は食事当番など与えられている仕事をミスはあったが全日時間内に終えるなど成長を感じさせた。部の最終目標である冬山決算合宿へ向け確かな収穫を得て充実した夏山合宿を終えた。 上級生が意地を見せ夏山合宿10日間を乗り越えた。昨年より短い日数で行われた今回の合宿だったが上級生が中心となり無事全行程を完遂。1年生よりも8kg重い荷物を持った上級生が技術面、そして精神面でもけん引した。しかし、全てが順調ではなく途中脱水症状の部員が出るなどトラブルも発生。染谷智成(文2=小田原)は「自分たちがもっとしっかりしなければ」と反省を口にした。また、登山途中に滑落者に遭遇。山の恐ろしさを身に染みて感じ隊全体の雰囲気が引き締まった。危険も多く不安も大きいが冬山に向けて好材料も見つかった。2年生コンビは先を見据えて「来年からは自分たちが上になるのでリーダーシップを取っていかなければいけない」(小清水健人・農2=韮崎)と頼もしく成長。宮武尚史主将(農4=琴平)も「夏山を終えて心強いメンバーが増えた感じ」と2年生に期待を寄せている。そして最終目標達成のためさらなる飛躍を誓う。 4人の強みで登り続けた。今年の1年生は例年より多い4人。上り下りの多い厳しい南アルプスを4人は声を掛け合いながら登頂した。小池龍一(法1=飯田)は「1年で協力し合うのは大きい」と同学年との支え合いを今回の合宿成功の理由に挙げた。しかし、合宿の目標であった体力強化の面では「まだまだ足りていない」(小池)と冬までにさらなるレベルアップが求められる。また、新人合宿で課題として挙げられていた食事当番では火の通り具合などミスは出たものの時間内で全ての行程を終了。「とりあえず時間内に終われたのはよかった」と佐藤麟太郎(法1=明大明治)は一定の成果に手ごたえをつかんでいる。合宿を終えた後も歩みを止めず「冬山は夏山よりも厳しいのでもっとレベルアップをしていかなければいけない」(小田英生・農1=琴平)。冬山はさらに厳しい。決算合宿まで時間は決して長くないが「先輩に頼るだけでなく自分たちが少しでも支えられるようになりたい」(小田)ともう前を向いている。これからの山岳部を背負っていく4人の姿に目が離せない。 2年連続冬山決算合宿成功へ。昨年は3年ぶりに冬山登頂を果たし今年は連続踏破に期待がかかっている。体力面ではまだ全員が万全という訳ではない。また「冬山は気を抜くと命取りになってしまう」(高橋大夢・営1=都立向立)とラッセル(雪をかき分けながら進むこと)を強いられ、荷物の重量も増えるため過酷さはさらに増し危険もついてくる。しかし「春の時より確実に成長してきている」と小田が言うように1年生も頼もしくなってきている。経験豊かな頼れる上級生にチームワーク抜群の新戦力も加えた山岳部は最終目標達成へ残された時間を歩み続けていく。[東後太一]READ MORE -
ルーキーを迎え初合宿 2年連続の全行程完遂/新人合宿
山岳 2016.06.18新体制最初の合宿を成功で終えた。新1年生の4人を加えた毎年恒例の新人合宿で、全行程を完遂。食事当番の遅れなど改善点こそ挙がったものの、例年より準備期間が長かったこともあり安全に合宿をやり切ることができた。初合宿を無事故で完遂 例年より長い準備期間を有効活用した。毎年4月末から5月上旬に行うこの新人合宿を、今年は約1ヵ月遅らせて実施。1年生が初めて参加する合宿となるため、入山前の準備を入念に行った。階段昇降などの体力トレーニングでは「1年生は4人とも体力があった」(宮武尚史主将・農4=琴平)とルーキーたちのスタミナを把握。現地でも「合宿を通じて予定した時間内で行動することができた」(宮武主将)と欠員を出すことなく動くことができた。また、器具の使い方なども準備期間に入念にレクチャー。「(今年の1年生は)テント設営は去年の自分たちよりうまかった。今年は2、3回の組み直しで終わったけれど自分たちは4、5回やった」(小清水健人・農2=韮崎)と一定の手応えを感じることができた。 今年の隊の形が見えた。ルーキーが4人に対して、今合宿に参加した先輩は3人。宮武主将は「2年生は小まめに1年生を見ていて、自分で考えて行動する場面が見てとれた。1年生も例年以上に明るいし、行動中に大きな遅れをとることも少なかった」と及第点を与えた。今季、副将を務める小清水は「守る立場として去年のままではいけない」と、同期の染矢智成(文2=小田原)も「連れて行く側として、余裕を持って見ることができた」とそれぞれ自覚と成長を実感した。昨年は4年生が4人いたため頼り過ぎた面もあったが、今年は全員が力を出し切り頂上を目指していく。期待の新人4人が加入 新入部員が新たな一歩を踏み出すも、課題が多く浮き彫りとなった。「とにかく仲がいい」(小田英生・農1=琴平)と今年の1年生の雰囲気は明るく和気あいあいとしている。スポーツ推薦で入部した小田を中心に、ルーキーたちは山に挑んだ。苦しいときも力を合わせ、この合宿を成功させたが、課題も残った。「体力が必要」と4人が口をそろえて言うように今回の合宿ではまだ雪の残る山道攻略の大変さを思い知らされた。「上に行くにつれて自分たちの弱いところが出てしまった」(佐藤麟太郎・法1=明大明治)と日数を重ねるごとに疲労もたまり精神的にも追い詰められた。また、1年生に任せられる食事当番ではミスが多く露呈。朝2時30分起床の中、素早く丁寧な動きを求められる食事当番は1年生の体を疲弊させた。極限の状況の中でも、成長の場を求めて入部した高橋大夢(営1=都立向立)は「1分でもおくれてしまうと予定が崩れてしまう」と食事当番の重要性を感じている。「先輩たちとの差は大きいし、先輩は目標になっている」(小池龍一・法1=飯田)と上級生を目標にして課題を克服していく。 これからも夏合宿、そして冬の決算合宿と乗り越える山は多く残っている。しかし「次の合宿に向けてできることを精一杯やっていきたい」(小田)と選手たちはもう歩みを進めている。厳しい合宿を経験し、それでも前を向くルーキーたちはこれから始まる4年間でさらに成長していく。 最初の合宿を成功させた意味は大きい。昨年はこの新人合宿で5年ぶりに全行程を完遂し、冬山決算合宿でも4年ぶりの成功を収めた。「ここから徐々に成長することができれば」と宮武主将。厳冬期登山が来るその時まで、部は研鑽を積んでいく。[小田切健太郎・東後太一]READ MORE -
1年間の集大成見せ4年ぶりの冬山登頂成功/冬山決算合宿
山岳 2016.03.131年間の合宿の成果を発揮した。今までの合宿と異なり安全地点のベースキャンプと頂上アタックのためのキャンプの2つのキャンプを利用する極地法で挑んだ冬山決算合宿。登頂の際は、山頂を目指す松本拓也主将(農4=青山)と松木啓祐(商4=明大中野八王子)の頂上隊と太田奈津美(農4=水戸三)、長坂公貴(政経4=韮崎)、宮武尚史(農3=琴平)、小清水健人(農1=韮崎)、染矢智成(文1=小田原)のサポート隊に分かれ行動。10日間という短い期間での冬山登頂に対し「不安はあった」と松本主将。だがいざ山に入れば全員の気持ちは山頂へと向かった。 登山7日目、初の頂上アタックは雪を崩しながらの登攀(とうはん)していくことに時間を取られあえなく登頂を断念。しかしそこに焦りなく「やってきたことを全て出せば」(松本主将)と成功を信じてやまなかった。次の日、天候にも恵まれ順調に登攀、頂上までの道では腰まで積もった雪をラッセル(雪をかきわけながら進むこと)しながら進む。出発から約7時間、ようやく今合宿の目標である鹿島槍ヶ岳北峰に到達。トランシーバーでキャンプ場に待機していたサポート隊に登頂成功を伝えるとキャンプ中で隊員の喜びの声と拍手が起こった。「同期が登頂してくれたことが嬉しかった」(太田)と4年生は1年次以来の冬山登頂成功に一層喜びを噛みしめた。その後2日間かけて下山。最終日は吹雪に見舞われたが早朝には下山を完了させ、高山病や凍傷になる隊員も発生せずに冬山決算合宿を大成功で収めた。 サポート隊の助けなしには山頂到達は成し得なかった。当初は全員での登頂を予定していたが、今回挑んだ鹿島槍ヶ岳は例年の冬山よりも登攀技術を要することもあって安全を重視した極地法を採用。4年生でサポート隊に回った太田奈津美(農4=水戸三)、長坂公貴(政経4=韮崎)を中心にサポート隊は、第1キャンプのから登頂の拠点となる第2キャンプまでのルートをつくるなど登頂部隊を後方から支援し続けた。ルート工作の途中の細道では、ザイルワーク経験の少ない1年生がスリップしないよう終始気を張った。その甲斐あってかケガ人は0。「1つの隊として成功に導けた」(太田)と責任を全うし、最後の合宿を終えた。 この合宿を終え松本主将ら4人の4年生は引退を迎えた。部員の半数が4年生だったということもあり、4年生の抜けた穴は大きい。しかしその分「しっかり自分たちが部を引っ張っていきたい」(染矢)と一人一人の責任感は増す。また、新体制となった部は早くも春合宿へ向け始動。決算合宿を経て部で唯一の正部員に昇格した宮武新主将は「一番は安全にケガなく隊を作っていきたい」と来年度へ向けての抱負を述べた。部は再び来年の冬山攻略へ向けすでに進み始めている。[長谷川千華]★宮津OB、世界の未踏峰に挑む★ 山岳界の発展に貢献した。日本山岳会創立110周年を記念した活動の一つ「ネパール東部登山隊2015」に明大山岳部OBの宮津洸太郎氏が登攀隊長として参加し、見事その責務を全うした。これは学生のみでネパール東部カンチェンジュンガ山群の未踏峰に挑むという、日本山岳会をあげてのプロジェクト。未踏峰に挑むだけではなく、周辺の山域調査や登山中における人体への影響などの研究も目的のひとつ。隊は無事、全員で登頂を達成し「大成功だった。何も事故なく、かつメンバーとまとまっていいチームをつくることができた」と宮津氏は振り返った。 故・植村直己氏(昭39農卒)をはじめ著名なアルピニストを輩出している明大山岳部。宮津氏は「こういった貴重な経験をさせていただいたので、これを(明治にも)還元していきたい」と、明大山岳部のさらなる発展にも一役買うことを誓った。★4年生のコメント★松本主将 「山ってことに関しては自分の限界を知らされるもの。体力的にも精神的にも。机上で考える思考と上の厳しい環境で疲弊している中での思考は振り返ってみるとちょっと違う。ただ山に行くと危険なところもかなり出るので、部員一人一人への気遣いや安全に戻ってくるということは徹底して欲しいと思う。下級生の命を守りながら上級生は自分の命を守らなければいけない。来年は上級生が少ない中で下級生が何人入るかは分からないけれど、なおさら目が行き届かなくなってしまうかもしれない。でも安全安全言っているとできる幅は狭くなってしまうので、そこは自分たちの力を見極めて的確にやりたいことをやっていければいいと思う」太田 「8割はつらいこと厳しいこと。でも難しいところに行けば行くほど成功した時の喜びがある。(後輩へ)全力でかっこつけずに無我夢中でやれるのはこの4年間しかないので、そこを自分の良かった点として全力でやってほしいのと、何よりも安全に慢心せずにやってほしい。引退後もどこまでやるかはわからないけど山岳をやめようとは思っていないので。1か月に1回は山に登りたいと思う。粘りと泥臭さをこの山岳部で身に着けたのでそれをばねにやっていきたい」長坂 「羽陽曲折あったけれど、仲間4人とやってこられて,本当によかった。きついことばかりだったけれど、最後に決算で成功することができて、今までのことは無駄ではなかった、と最後の最後に分からせてもらった。最初にスポーツ推薦ではいって、体力的には余裕があったけれど、1年の時の冬山で体力だけではダメだということに気づかされた。そこから先輩を山をバテさせて、馬鹿にしてやろうと思ってトレーニングを頑張った。今思えば、不純なモチベーションでした笑。(後輩へ)気持ちを強く持ってやって欲しい。この部活に毎日くることになって、大変に思うことがでてくると思うけれど、継続して一つ一つをやっていって欲しい。(山とは)いい意味でも悪い意味でも人生経験をさせてもらえる場。いい思いをすることは少ないかもしれないけれど、自分自身の力を教えられる場所だった」松木 「4年間を終えて、ほっとしている。ケガとかもあったので、続けていけるか厳しいときもあった。無事に続けていくことができて、その最後の最後に有終に美を飾ることができたので本当によかった。自分は就職してしまうが、時間を見つけてこれからも山には登りたいと思っている。機会は少なくなってしまうかもしれないけれど、山に接していきたい。(後輩へ)頑張ってくれという気持ちが大きい。部員が半分抜けることになるけれど、その中でも精一杯頑張って欲しい。(山岳とは)かけがえのないもの。自分自身の成長につなげることができた、とても大きなもの。人間としてこの部で成長することができたと思う」READ MORE -
乗り越えた夏山15日間 冬山決算合宿実現へ/夏山合宿
山岳 2015.12.10富士山に次いで日本で2番目の高峰・北岳登頂に成功した。体力強化を目標に毎年夏に行われる夏山合宿だが、今年は例年よりも日数を増やして挑戦。下級生は45kg以上もの重い荷物を背負い登山道を歩き切った。また、上級生は終始下級生の安全に気を配り、登山中に起こったハプニングにも臨機応変に対応。3年間登頂を逃している冬山決算合宿に向け充実した合宿となった。先頭を切った上級生 上級生のリードと的確な判断で夏山を乗り越えた。「目的は体力強化のみ」(松本拓也主将・農=青山)と挑んだ夏山では、距離にして80㎞を超える登山道をひたすらに歩き切った。雷が発生しやすいこの時期には、予測しづらい山の天気に目を見張りながらゆっくりと歩いていく。登山7日目、前日まで降り続いた雨により計画していたルートが通行中止となってしまう。しかし、上級生の冷静な判断によりあらかじめ用意しておいた別ルートへ変更し登山を続行。次の日は無事に山頂にたどり着いた。その後も上級生が細心の注意を払いながら下山し、ケガ人も発生せずに夏山合宿を終えることができた。「今年のチームの全体像が見え、決算合宿へのイメージができた」(太田奈津季・農4=水戸三高)と登頂を逃し続けている冬山への手ごたえをつかんだ。1年生の奮闘と成長 初めての長期合宿で意地を見せた。「1年生は元々が強い」(松木啓祐・商4=明大中野八王子)とこれまでの合宿を乗り越えてきたスポーツ推薦の小清水健人(農1=韮崎高)と一般入部の染谷智成(文1=小田原)のコンビ。これまでの短期間の合宿とは違い、15日間にわたる長期合宿ではまた新たな成長とともに絆も深まった。新人合宿で遅れが課題となっていた食事当番は、夏合宿中のすべての日数で制限時間内に終えることができた。また、最大47kgの重量を背負いながら歩く道中では心がくじけそうになることもしばしば。しかし、言葉で慰めることはなくとも背中で励まし合った。最終日の前日、最後の追い込みとして上り300mで上級生がペース上げていく中で、ペースをあげることができなかった染谷の前には小清水の背中があった。「小清水が頑張ってペース上げていたので頑張らなきゃ」と染谷も負けじとペースアップ。これには小清水も「真面目に登っていたのですごいなと思う」と称賛。下山後は、厳しい環境から解放された安心感と達成感で自然と涙があふれた。夏山合宿を通して「自分を追い込むことはできた」と染谷。体力強化に加え、精神面でも成長を感じた夏山合宿となった。 3年ぶりの登頂なるか。部の最終目標である冬山決算合宿。夏山とは違い山行中にラッセル(雪をかき分けながら進むこと)をしながら山道を進んでいく。「移動中1回スリップしただけでも下手したら死んでしまう」(松木)と一瞬の気の緩みも許されない。また、雪崩の前兆を察知するための天候把握技術も必要となる。冬の合宿での目標は「絶対に完遂すること。単純だが1番難しい」(宮武尚史・農3=琴平)。ここまで全ての合宿において順調に計画を完璧にこなし、着実に成長を遂げている。3年間逃し続けている冬山登頂に期待がかかる。[長谷川千華]READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
大正11(1922)年の創部。他の部と異なり対外試合はなく、選手一人一人が自分と戦う。50㎏にもなる荷物を背負い、足元が安定しない雪山でさえ踏破していく。時には苦しい状況に直面するものの、登頂した時の喜びは山を登り切ったものにしかわからない。非常に奥の深い競技だ。過去には日本で初めて五大陸の最高峰を登頂した故・植村直己(昭39年農卒)が在籍。また、学生のうちに外国の山を登頂したこともある。現在は日本の山を中心に、年6回の春山、夏山、そして部の最終目標である冬山の合宿を敢行している。厳しい自然と戦いながら質実剛健な登山スタイルでピークを目指す。