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決勝進出者多数で好成績残す 今夏への期待高まる/国際大会代表選手選考会
水泳(競泳) 2024.03.264年に一度の五輪。その挑戦権を懸けて8日間に及ぶ長い戦いが行われた。この国際大会代表選手選考会(以下、パリ五輪選考会)は日本のトップスイマーが集う戦い。その中であっても、多くの明大の選手が予選を勝ち抜き、決勝進出を決めた。惜しくも個人種目では五輪への挑戦権は逃したものの、来季への希望が見える戦いとなった。 ◆3・17~24 国際大会代表選手選考会(東京アクアティクスセンター) ◆1日目 ▼女子400メートル自由形 8位 長尾 4分13秒23 ▼男子400メートル自由形 7位 庭野 3分53秒52 ◆2日目 ▼男子400メートル個人メドレー 3位 田渕 4分11秒15 7位 上川畑 4分17秒02 ▼女子100メートルバタフライ 7位 水口 58秒88 ◆3日目 ▼男子200メートル自由形 7位 清水 1分48秒51 ▼男子100メートル背泳ぎ 1位 松山 53秒72 7位 栁川 55秒22 ▼女子50メートルバタフライ 7位 水口 27秒03 ◆4日目 ▼男子800メートル自由形 5位 田渕 8分00秒07 ◆5日目 ▼男子200メートル平泳ぎ 4位 廣島 2分09秒39 ▼男子100メートル自由形 7位 五味 49秒41 ▼女子50メートル背泳ぎ 8位 遠藤 29秒15 ◆6日目 ▼女子200メートルバタフライ 3位 水口 2分08秒23 ▼男子50メートル自由形 4位 小嶋 27秒79 ◆8日目 ▼男子1500メートル自由形 4位 田渕 15分22秒83 パリ五輪への挑戦権を懸け、トップスイマー達による熾烈(しれつ)な争いが行われた。世界の舞台で戦った経験も持つ猛者たちと共に泳ぐ今大会。選手によっては連日のレースや1日で複数レース泳ぐこともあったが、多くの選手が好成績を残す大会となった。 大会3日目に行われた男子100メートル背泳ぎ決勝では、松山陸(商4=春日部共栄)と栁川大樹(政経3=日大藤沢)が決勝へ進出した。5レーンの松山と共にセンターレーンを泳いだのは、史上初の五輪5大会連続出場を狙う入江陵介(イトマン東進)。松山自身も目標としてきた選手との一戦となった。50メートル時点でのタイムは松山は25秒85、入江は25秒73と2人のタイム差は0.12秒。わずかにリードを許して折り返したが、75メートルあたりで松山がスピードを上げ1位に浮上。トップを譲らずにそのままゴールし、自己ベスト更新も果たした。 また、今大会で田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)は3種目で決勝進出を果たした。中でも、激しい戦いとなった男子400メートル個人メドレー。最初のバタフライから好調に進み、代表記録のペースを上回る。さらに派遣のもう一つの条件である2位もキープ。自由形に入る時点では、瀬戸大也(CHARIS&Co.)との一騎打ち状態となっていた。しかし、終盤に松下知之(スウィン宇都宮)が怒涛(どとう)の追い上げ。ゴール間際に追いつかれ、田渕は3位となったものの自己ベスト更新を果たし、好調な状態を見せた。 明大の選手たちは、個人では五輪への切符まであと一歩のところだったが、決勝進出者多数、ベストタイム更新の好成績を連発。明大のスイマー達がトップ層の中でも確実に戦える力を示した。ここからさらに力をつけて、さらなる飛躍を果たす選手たちに、期待せずにはいられない。[中川美怜]コメント記事はこちら(近日中公開予定)READ MORE -
夢のパリ五輪へいざ 松山陸×佐野秀匡監督/特別インタビュー
水泳(競泳) 2024.03.163月17日から、国際大会代表選考会(パリ五輪選考会)が開幕する。明大からも多くの選手が出場し、おのおのの目標に向かって8日間にわたる大会に挑む。中でも、松山陸(商4=春日部共栄)はこれまで背泳ぎ種目で結果を残してきており、今大会でも好成績が期待される。そんな彼の4年間は決して順風満帆なものではなかった。苦難の時期を乗り越えた背景には、明大水泳部競泳部門を指導する、佐野秀匡監督の存在があった。二人三脚で夢のパリ五輪へ。その切符をつかむための道のりを伺った。(この取材は2023年12月19日に行われたものです) ――これまでどのように競泳を続けられてきましたか。松山陸(以下、松山):元々そこまでレベルの高い選手ではなかったのですが、レベルが低いところからのスタートだったので順調に毎年ベストタイムを更新できていました。高校生まではスランプを知りませんでしたね。順風満帆な水泳生活だったのかなと思います。 ――復活して水泳のことは好きになれたっていう感じですか。松山:苦しい時期も、好きだからやめないで続けられてたんで、嫌いになったわけではないのですが、心から楽しめていなかったなとすごく感じています。ベストもたくさん出ているのですごく楽しいですし、前より好きだと思うようになりました。 ――入学してから今までを振り返っていかがですか。松山:僕は元々佐野監督の下で練習してるわけではないんです。大学1年生はいい結果を残せたのですが、大学2年、3年生の時期はあまり思うような結果が出なくて苦しい時期でした。なかなか思うように練習もできなくて、苦しくて、水から逃げてしまう部分が多かったです。そこでちょっと環境を変えようということで、佐野監督の下でお世話になるようになりました。大学3年の夏以降も、ブランクがある感じで、かなり落ちちゃったなというふうには感じていました。ですけど一生懸命練習して、どん底からはい上がってこれたのは佐野監督のおかげです。監督からは『上に連れていく』と言っていただいているので、このまま突き進みたいなと思っています。 ――佐野監督から見て、松山選手の大学時代はいかがでしたか。佐野監督:勧誘して明治に入ってもらったのですが、入学した時からもちろんレベルが高く経験も豊富にある選手だなと思っていました。1年生の全日本学生選手権(以下、インカレ)では、100メートル、200メートル背泳ぎ共に優勝して、これからぐっと伸びるのではと期待はしていました。しかし本人が言っていたように、2年生、3年生と少し低迷していて、本人とも何回か話をした時には、うまく練習ができていないということを聞いていました。『それなら環境を変えてしっかりやればいいんじゃないか』ということで、3年次のインカレが終わってから、一緒に練習するようになりました。最初見た時に相当落ちていた部分があったのと、本人も言っているように水泳に対して積極性というか、楽しめていないという感じがしました。ただやっているだけのような印象ですね。そうではなくて『水泳が好きだという気持ちを取り戻して、一緒に1年間頑張っていこう』と話しました。春のユニバーシティゲームスの代表権を勝ち取った時、今後社会人になってからもどうするのかというのを2人で話をして、オリンピックを一緒に目指していこうと。僕もなかなか、このようないい選手に触れ合うことはないのですが、松山とだったら一緒にオリンピックに行けると思っています。 ――卒業後も続けたいというのはどちらからお話が出たのですか。佐野監督:卒業後も続けたいと言ったのは、松山自身ですね。僕から『やりなさい』とは言わないので。今後どうするか、3年生の秋に全員と話をするのですが、その段階で松山の方から結果を出したら続けたいと聞きました。『続けるのであればオリンピックに行きたい』と言われましたね。 ――最初から佐野監督の下で続けようと決められていましたか。松山:就活をして社会人になるのか、このまま水泳頑張るのかというのを考えないといけない時期に、ジャパンオープンがありました。それを今後どうするのかをはっきり決めるための大会にしようと思っていました。でもそこでは思うような結果が出なくて、一度水泳をやめると監督に話して、もうおしまいにするみたいなことは考えていました。ですがそこで監督から『中途半端なのにやめていいのか』と言っていただきました。『せっかく小さい時から頑張ってきたのに、夢のオリンピックに手が届きそうなところまで来たのに』と。そうやって監督が僕のことを信じて声を掛けてくれているので、佐野監督の下で頑張りたいと強く思いました。それに、水泳が楽しくて好きで始めたのにそれを忘れてただただ苦しい2年間を過ごしてきましたが、学校練習に加わってからはすごく毎日楽しく練習をさせてもらっています。苦しい競技の中で楽しいと感じて練習できると、練習のレベルが上がって、パフォーマンスも上がると感じています。自分にすごく監督が合っていて、当初はここでやりたいと決めて加わったわけではないですが、練習していくうちにここでやりたいと思うようになりました。 ――卒業後のスポンサーに銀座千疋屋さんがついておられますが、どういう経緯でしたか。佐野監督:日本選手権で代表に入ればスポンサーをなんとかすると、探してくるというのは本人とも約束をしていました。銀座千疋屋さんには明大のOBで専務をやられている方がいまして、その人に相談したところ、ぜひということで。先方から言っていただいたので、話が進んだというような感じですね。(写真:レース前、佐野監督に鼓舞される松山) ――佐野監督から見た、松山選手の強みを教えてください。佐野監督:泳ぎ自体はすごく伸びのある泳ぎで、持久的な能力に関しては小さい頃からしっかり練習してきたのだと思うのですが、しっかり持っていますね。後は伸びしろがたくさんある、水泳選手の中ではかなり細身できゃしゃな体なのですが、スピードを出せる力を持っているというのが強みかなと思っています。私も選手だったので、大学に入ってからウエートトレーニングなどをしっかりやって、体重を10キロぐらい増やしてスピードもつけてどんどん速くなっていきました。彼はそれを大学4年間で全くやらないでここまで来ているのでまだまだ伸びしろがたくさんあると思っています。まだこれから成長できる部分がたくさんあるにも関わらず、もうすでに日本のトップレベルまで来ているということは、本当に世界を狙える素質があるのではないかと、彼の3年次に思いました。練習を見ていてもできないことも多かったですし、例えば重たいものを引っ張るとかですね。 後は練習の一番苦しいところでもう1本頑張ろうというのもあまりできないタイプでした。ですが、継続することを大切にして今は本当に部員の誰よりもそういう練習に強くなっています。ウエートトレーニングも本格的に始めたのは4年次の秋からなのですが、かなりできるようになってきて体つきも変わってきました。こういった成長具合がやっぱりまだまだ伸びるという見込みをさらに確信に変えましたね。 ――そういった強みを持っている松山選手には今後どのような選手になってほしいですか。佐野監督:松山だけではなくて明大の水泳部員には全員に言っているのですが『水泳だけではない』と。『人として、大学生活の過程で人格を形成して、かつ競技力を向上させなさい』ということを言っています。陸にも今後社会人になって水泳を続けるのであれば、周りから応援されるような選手になりなさいと言っています。感謝の気持ちを忘れずに、周りから応援されるような選手になってもらえると僕は期待しています。 ――松山選手自身はどういう選手像を目指していらっしゃいますか。松山:監督がさっきおっしゃっていたようにラスト1本頑張れなかったり、ちょっとしたところで気が抜けてしまったりする部分が多かったのですが、最近はすごくいろんな人に応援してもらえているということを実感しています。自分1人で水泳をやっているわけではないので、応援してくれている人たちの力もパワーに変えられる、速い選手になりたいです。 ――パリ五輪に向けての取り組みを教えてください。松山:課題がたくさんある中で、陸上の筋トレがすごく苦手なので、監督と一緒にウエートトレーニングをして筋力アップを一番メインにしています。入江陵介(イトマン東進)さんなどにも泳ぎの部分のアドバイスをいただいています。泳ぎの質が上がるように頑張っています。 ――レース前はどのように過ごされていますか。松山:招集所まで監督が話しながら見送ってくれます。いち選手としては明大の最終調整は監督の鼓舞だと思っていて『いけるぞいけるぞ、信じろ信じろ』と言っていただいています。メンタル面でもブーストがかかるような感じなので、僕の中の最近のルーティンなのかなと思っています。 ――佐野監督の下で特に成長した点を教えてください。松山:水泳を楽しむという意識が一番大きく変わったのかなと思います。元々水泳は楽しくやってきたのですが、それ以上に水泳は楽しいものだと思い出させてもらいました。 ――監督から見た松山選手の成長した点を教えてください。佐野監督:さまざまな面があると思いますけど、水泳に対する取り組みが真面目になりましたね。今までは水中練習だけやっていればいいのかなみたいな感じでした。陸は3年生から4年生になるぐらいまで見ていて、やるべきことをやっていたりやっていなかったりという感じではありました。ですが今シーズン、オリンピックに向けて始まってからは、これをやった方がいいよというのを日本代表のトレーナーなどから聞いたことに関しては何を言われることもなくしっかりやるようになりましたね。1年ほどですごく変わったなと思います。1人でちゃんと言われたことを黙々とやっていたので、こういうところは本当に成長したなと思います。これからさらにレベルアップできると感じています。 ――今後も二人三脚でやっていかれると思いますが、意気込みをお願いします。松山:目標はオリンピックでメダルを取るということで、なかなか達成できない高い目標だと思っています。ですが監督からは『信じてついてきてくれれば上に連れていく』と言っていただいているので、僕は監督を信じて突き進みます。佐野監督:選手との出会いというのは本当に特別なものなので、陸に出会えたことが僕の水泳、監督人生を変えてくれたと思うし、さらにもっともっと上の世界が見られると思っています。彼と一緒に夢を追いかけて、自分が選手でオリンピックに行けなかった分、選手をオリンピックに連れていって自分もオリンピックに行きたいという夢があります。その先にはオリンピックのメダルというのも一番の目標に掲げているところではあります。彼の夢がそうであるとともに、僕の夢でもあるので、2人でかなえられたらいいですね。 ――ありがとうございました。 [中川美怜]READ MORE -
大会後半戦 自由形で魅せた田渕 2個の銀メダル獲得/ジャパンオープン
水泳(競泳) 2023.12.06後半戦を迎えたジャパンオープン。海外勢や高校生が存在感を見せ、大いに盛り上がりを呈した。その勢いに乗り明大勢も躍動し、自己ベストや好結果を連発。中でも、松山陸(商4=春日部共栄)は今大会2個目の銀メダルを獲得、田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)は3日目に400メートル自由形、4日目には800メートル自由形で銀メダルを獲得した。 ◆11・30~12・3 ジャパンオープン(東京アクアティクスセンター)◆3日目▼男子50メートル背泳ぎ2位 松山 25秒16▼男子400メートル自由形2位 田渕 3分49秒127位 庭野 3分53秒63▼男子200メートルバタフライ6位 上川畑 1分57秒84 ◆4日目▼男子800メートル自由形2位 田渕 7分56秒94▼男子50メートル自由形8位 五味 22秒82▼男子200メートル平泳ぎ7位 廣島 2分12秒65 大会3日目には男子50メートル背泳ぎで松山が登場。銀メダルを獲得した前日の勢いそのままに会心の泳ぎを見せた。得意のバサロキックで好位置につけると、大接戦を繰り広げ優勝争いを展開する。タッチの差で前日の男子100メートル背泳ぎに続き2位となったが、予選決勝ともに自己ベストを更新。「陸上でのトレーニングだったりウエートトレーニングが爆発的なスピードにつながる」(松山)と、練習法を変えたことによる今大会好調の要因を明かした。 大会3日目の男子400メートル自由形、最終日の男子800メートル自由形では田渕が銀メダルを獲得。両日ともに、強豪・オーストラリアのマシュー・ガレアとの白熱した戦いを繰り広げた。また、男子400メートル自由形では2年ぶりとなる自己ベスト更新。「去年のジャパンオープンと比べるとやはり速くなっているので、その点で自信がついているなという感触とこれがオリンピックイヤーかという気持ち」(田渕)と自身の確かな成長を実感し、来年3月の国際大会代表選考会(以下、パリ五輪選考会)に向けての熱意を示した。 廣島偉来(政経3=淑徳巣鴨)は、最終日の男子200メートル平泳ぎに出場。決勝に進出し、7位となったもののレース内容には納得いかず。「(本格的な練習は)まだ何もできていない」(廣島)と、これから厳しい練習で追い込んでいく覚悟を見せた。さらに廣島はパリ五輪選考会のみならず、来年2月にカタールで行われる世界選手権にも出場する。「カタールでいいタイムを出して、3月のパリ五輪選考会に臨めれば」(廣島)と大舞台をも糧にしようとする心意気をあらわにした。 それぞれが手応えや課題をつかんだ4日間。多くの選手が見据えるのは3月のパリ五輪選考会だ。冬の強化期間を充実させ一段と成長し、1人でも多くの選手が憧れの舞台への切符をつかむ3月になることを期待したい。 [中川美怜、橋本太陽] 試合後のコメント松山――タイム面ではいかがでしたか。 「24秒を出したかったのであまり満足できていないですし、明らかにオーストラリアの選手と接戦だったのは分かっていたのですが、勝ち切れなかったですね。やはり優勝したかったので、まだまだ課題がたくさんあるなと感じています」 田渕――自由形の強豪国のオーストラリアの選手に対して接戦を繰り広げました。実際に泳いでみてどんな経験を得ましたか。 「今大会で9レース目になったので疲労はもちろんあったんですけど、もう少し速く泳げたなというのが正直なところです。こうして海外選手と真剣勝負できたという点ではいい経験になったかなと思います」 廣島――ここ最近の調子はどう体感されてますか。 「練習もまだ全然積めていないですし、レースの練習もしていなくて、まだ何もできてない状態です。 12月と1月で上げていきたいなと思います」READ MORE -
大会前半戦 松山が自己新で銀メダルも悔しさ残る/ジャパンオープン
水泳(競泳) 2023.12.02日本最高峰の大会・ジャパンオープンが開幕。日本を代表するスター選手に加え、海外からの刺客も多く参戦している。強敵ひしめく中、明大勢は大会2日目までにA決勝に5人が進出し、松山陸(商4=春日部共栄)が銀メダル、五味智信(商3=湘南工科大付)が銅メダルを獲得した。 ◆11・30~12・3 ジャパンオープン(東京アクアティクスセンター)◆1日目▼男子400メートル個人メドレー5位 田渕 4分13秒99▼男子100メートル自由形3位 五味 49秒00 ◆2日目▼男子200メートル自由形8位 清水 1分49秒60▼男子100メートル背泳ぎ2位 松山 54秒066位 成嶋 55秒15 大会初日、明大からは2人が決勝、6人がB決勝進出を果たした。中でも好調な泳ぎを見せたのは五味だ。男子100メートル自由形に出場し、日本人選手の中ではトップの3位でゴール。しかし上位2人のカイル・チャルマーズ(オーストラリア)、ヨシャ・ザルホウ(ドイツ)とのレースを「ラスト15メートルでやっぱり世界との差をすごく実感した」と振り返り、47秒台への意欲を示した。 男子400メートル個人メドレーに出場した田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)は納得のいかない結果となった。前半から積極的な泳ぎを見せ、バタフライ終了時点では3位につける。しかし徐々にトップから切り離され、最終的には5位に。「灯(本多・日大)が9分を出してきたのでちょっと焦りと、2~4位が高校生で年下に負けたというところで少し落ち込んでいる」と悔しさを口にした。 大会2日目には、男子100メートル背泳ぎに栁川大樹(政経3=日大藤沢)が登場。日本背泳ぎ界の新エース候補に期待がかかるが、予選では思うようなタイムが出ずB決勝へ。それでも同種目で、松山と成嶋義徳(政経1=八王子)の2人が決勝進出。迎えた決勝レースでは、前半が得意な松山が50メートルを首位で折り返す。そのリードを最後まで守り切りたかったが、隣を泳ぐブラッドリー・ウッドワート(オーストラリア)に後半追い上げられ2着でフィニッシュ。日本人選手の中では1位となり、タイムも自己ベストを記録した。しかし「目標は53秒台だったので、あとちょっと届かなかったのがすごい悔しい」と表情には曇りが。憧れの入江陵介(イトマン東進)を超え、パリ五輪を目指す松山の強い気持ちが見えた。 今大会は早くも前半戦が終了し、現時点で2個のメダルを獲得。強化期間中ということもあり、全員がベストな状態で臨めているわけではないが、来年3月に控える国際大会代表選手選考会(以下、パリ五輪代表選考会)へ向けて弾みをつけたい。 [上原朋子、末吉祐貴] 試合後のコメント五味――47秒台が目標だとインタビューで仰っていましたが、どういうイメージでそこまで持っていきますか。 「今つくっている泳ぎは、自分の中の感想としては6割ぐらいかなという感じです。前半から行くレースペースも今回初めて試して、年末の合宿など積み重ねていったら47秒台もしっかり見えてくるんじゃないかなと思っています」 田渕――パリ五輪代表選考会に向けて、今後の目標をお願いします。 「3月にとうとうオリンピック選考会が始まります。4分9秒を出さないと行かせてもらえないというのは分かっているので、今日のタイムから4秒、ベストから2秒上げて戦いたいなと思います。まだトレーニングは2回、合宿も4回ぐらいあるので、しっかり強化していきたいです」 栁川――直近で高地トレーニングを行った山から下りてきて、やはり重い感覚がありますか。 「重いっていうのもありますし、通過点って感じでジャパンオープンは捉えているので、3月に向けて土台づくりからやっています」 ――パリ五輪の派遣標準記録をご覧になっていかがですか。 「自分の思っている泳ぎをして、それをしっかり実行できればそんな難しいわけじゃないかなと思います」READ MORE -
大会事後インタビュー 田渕海斗/FINA競泳ワールドカップ
水泳(競泳) 2023.10.30国際水泳連盟(FINA)が主催するFINA競泳ワールドカップ(以下、W杯)は、オリンピックに次ぎ、世界水泳、世界短水路選手権と並んで競泳の世界三大会と称されている。今大会日本チームはドイツのベルリン大会、ギリシャのアテネ大会に参加した。田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)は第2戦のアテネ大会において、男子400メートル個人メドレータイム決勝に出場。4分13秒30を記録し、2位と0.08秒差での接戦を制して優勝を果たした。田渕は8月のワールドユニバーシティゲームズ(以下、ユニバーシアード)で優勝を収めておきながら、日本学生選手権(以下、インカレ)、アジア競技大会(以下、アジア大会)では満足のいく結果が出ていなかった。その流れを断ち切るように、W杯で見事優勝を飾った田渕の試合後インタビューをお届けする。(この取材は10月22日に行われたものです) ◆10・13~15 FINA競泳ワールドカップ(ギリシャ・アテネ)▼男子400メートル個人メドレー1位 田渕 4分13秒30 ――先日のW杯優勝おめでとうございます。「ありがとうございます」 ――会場となったベルリン、アテネはいかがでしたか。「初めてのヨーロッパですごく新鮮でした。言葉ももちろん違いますし、ユーロだったり使ってる通貨も違って、水泳以外の部分で新鮮さがありました。もちろん派遣された試合ではあったんですけど、すごくリフレッシュというか、気分転換にもなる試合だったかなと思います」 ――食事面ではいかがでしたか。「食事はパスタやパンがメインで、小麦が結構多かったです。なので糖質が取りづらくて、そこがネックではあったかなと思います。糖質はお米が一番取りやすくて、もちろんお米はあったのですが、ピラフであったりとかでやや油があったり、タイ米みたいな細長いお米で味が合わないという感じはありました。僕はゼリーやカステラなどをしっかり持って行ってそこで糖質補給をしていました」 ――海外での試合が続いていますが、日本で泳ぐときとの違いなどはありますか。「アテネで特に感じたのは水がちょっとしょっぱかったかなということです。あと地理的に晴れやすいからだと思うんですけど、外プールがいっぱいありました。屋外の長水路が二つと、短水路が二つぐらいあったかなと思います。なので屋内の長水路、短水路を合わせると長水路が三つと短水路が三つぐらいあって、好条件というか、広いところで泳げた感じはします」 ――コンディションはいかがでしたか。「ユニバーシアードでそこそこの結果が出て、インカレ、アジア大会はあんまり良くなかったというところで、不安ももちろんありましたし、泳ぎ込めていないというのが事前に分かった上でのW杯でした。ベルリン大会に関しては移動面で、最初11時間くらい飛行機に乗ってちょっと休憩して、もう1回6時間乗りました。本当に丸1日かかったような気分でした。長い移動時間で体がすごく固まってしまいました。ベルリン大会では筋肉が結構固まっていた状態で泳ぐことになって、コンディション的にはあんまり良くなかったです」 ――どういったケアをされましたか。「アテネ大会では、ベルリンの最終日の男子400メートル個人メドレーの後にしっかりウエートトレーニングを挟みました。筋肉を1回枯らすという作業をして、そこからケアを入れる感じです。筋肉を固くした後に柔らかくするという作業を行った結果、アテネ大会では筋肉が柔らかい状態で臨めました。いわゆる『餅』を想像していただけると分かるんですけど、筋肉がもちもちした感じになれたので結構良かったかなと思います。もちもちしていたから速かったのかなっていうふうに思います」 ――ユニバーシアード以降「客観的に見て泳ぎ込めていない」とブログでつづられていましたが、具体的にはどういうことですか。 「試合前には『テーパリング』って言って『ピーキング』とも言うんですけど、 少し練習量を落として調整をします。それはつまり強化ではないわけで、その期間は心臓をドクドクさせて、はあはあするような追い込みができません。そうすると試合前は追い込み期間が短くなります。なので試合があればあるほど調整期間が増えます。例えばユニバーシアード前に調整して、出場して、ちょっと強化したらまた調整をしなければいけないっていう感じでした。連戦が1カ月ごとに4大会あったわけですけど、そうなるとどうしても2週間ぐらいしか強化ができないということになっていました。練習が足りなかったとか追い込めなかったとかサボったとかというわけではなく、時間が足りなかったという言い方が適切なのかなと思います」 ――連戦中、疲労を取り切った状態で臨めましたか。「結果的には取れてはいなかったのかなと思います。心身共に疲労はしていたのですが、その中でできる限りのことはやりました。ですけど、もっと結果を求めていけたら良かったのかなとは思います」 ――「心身共に」ということですが、精神的な部分でも苦労されましたか。「ピークをどこに合わせるかというところは大変かなとは思いますし、僕は一つ一つしっかり集中していきたいなとは思っていました。なので一つ一つ大会が終わるごとにまた次があるという思考をしていました。そういった精神的な部分も含めて、オフがないことで疲れて、休養が取れなかったことが精神的な疲労というところにつながったと思います」 ――明確なオフの期間は取れそうですか。 「W杯が終わって少し取ったかなというところです。少しリフレッシュできたので、また元に戻していこうと思います。心が疲れないようにということも意識しながら、アテネ最終日でそこそこの記録が出たので、それを崩したくはないなと思っています。なのであまりオフを取らずに、かつ心が疲れない程度で開始していけたらなという感じです」 ――W杯400メートル個人メドレーでは4分13秒30でした。どのようなレースプランで臨みましたか。 「バタフライは体が立っているという感じで、泳ぎがハマっていない感じがしました。バタフライで前に出ることができないだろうなという予想があって、後半型にシフトしていくレースイメージを持って泳いでいて最後接戦になるだろうなと思っていました。最後まで集中を切らさず泳ごうというイメージを泳いでいました」 ――英語での優勝インタビューはいかがでしたか。「30%くらいで優勝できるかなと思っていたので、言う内容は考えてはいました。優勝できて、言いたいことは言えました」 ――田渕選手の主戦場は男子400メートル個人メドレーだと思いますが、男子400メートル自由形などの種目は今後どのようにしていきたいなどはありますか。「400メートル個人メドレーはやっぱり専門にするというのは変わらずですね。同じ400メートルという種目は400メートル自由形しかないので、そこは一緒に強化しなければならないなとは思っています。400メートル個人メドレーを速くなりたいなら、400自由形も早くならなければいけないと思っています。400メートル個人メドレーでしっかりパリを狙っていきたいなと思います」 ――今後400メートル個人メドレーでの自己ベスト更新は視野に入っていますか。「自己ベストを更新しなければやっぱパリには行けないとは思っていますし、今高校生で速い子がいて、実力的には4番手になっています。3月のパリ五輪選考会では4分9秒が必須になってくるなと考えています。自己ベストを出さなければ負けるし、出したら勝てるというところにはいるかなと思っています。勝ちたいという思いももちろんあるんですけど、今はまず自己ベストを更新することをしっかりと意識していきます」 ――自己ベスト更新に向けて特に強化したい点はありますか。「課題である最初の200メートルを2分1秒で入りたいというのは変わらず思っています。やっぱりバタフライをいい泳ぎで、楽に着いていくというところをやりたいなと思っていて、今やっているところです。そこを確実にやって、短所ばっかり見てもしょうがないので、長所である後半型いうところは忘れずにしっかり強化していきたいなと思います」 ――五輪に懸ける思いをお聞かせください。「オリンピックは本当にどの選手も人生を懸けて挑んでくると思うので、そこに負けずに食らいついていきたいなと思います。僕は東京オリンピックの選考会は5番で敗れ、世界水泳ブタベスト大会と福岡大会の選考会は3番という一番近いところで敗れています。そういった意味でも、周りの中では出場したいという思いは僕が一番強いのかなと思います。普段から応援してくれる方がたくさんいるので、その方々に恩返しをしたいなという気持ちです」 ――大学でのラストシーズンとなります。今シーズンの意気込みをお願いします。「3月が僕の中では一番大事な大会で、ピークをそこに持っていきたいです。今は3月しか考えていないのですが、でもそこを通過点として考えたいなとも思っています。3月だけでなくて、その先のパリでも結果を出していきたいです。プライドがあるので、インカレでも優勝してチームに勢いをつけたいです。目標としては、天皇杯を獲得して2連覇を飾ることです。3月も夏も、一喜一憂して終わるんじゃなくて、一つ一つの大会を通過点にしてどんどん強くなっていきたいです」 ――ありがとうございました。 [橋本太陽]READ MORE -
5種目で表彰台入り 短水路でも強さ見せる/日本選手権(25m)
水泳(競泳) 2023.10.2410月21日から22日にかけて日本選手権(25m)が開催された。50メートルプールを使用する長水路と違い、25メートルプールを使用する今大会。明大からは11人が決勝進出を果たし、そのうち5種目で表彰台入りするなど短水路でも強さを見せつけた。 ◆10・21~22 日本選手権(25m)◆1日目▼男子200メートル自由形2位 清水 1分43秒91▼男子50メートル背泳ぎ1位 五味 23秒525位 松山 23秒71▼男子200メートル背泳ぎ1位 栁川 1分51秒00▼男子100メートル平泳ぎ7位 小嶋 57秒96▼男子100メートル個人メドレー4位 渡辺 53秒30▼男子400メートル個人メドレー3位 上川畑 4分07秒459位 川島 4分12秒80▼女子50メートル背泳ぎ8位 遠藤 27秒71▼女子100メートル個人メドレー6位 木津喜 1分01秒42◆2日目▼男子100メートル背泳ぎ2位 栁川 50秒92▼男子50メートル平泳ぎ5位 小嶋 26秒50▼男子200メートル個人メドレー5位 渡辺 1分55秒89▼女子400メートル自由形6位 長尾 4分11秒96▼女子100メートルバタフライ8位 木津喜 58秒88 今大会で明大最初のメダル受賞者となったのは男子200メートル自由形に出場した清水博斗(政経2=日大藤沢)。最初の100メートル地点では5位につけていた。「ラスト50メートルは持ち味なのでそこを発揮できて良かった」。レース終盤、隣のレーンを泳ぐ松元克央選手(令1政経卒・現ミツウロコ)が飛び抜け、それを追う形で清水、眞野秀成(セントラルスポーツ)、渡邊天馬(イトマン近大)の3人が横並びとなる。最後はタッチの差で2位を勝ち取り、明大関係者でワンツーフィニッシュを飾った。 自由形が専門種目の五味が男子50メートル背泳ぎで魅せた。「背泳ぎは中学生までやっていて『短水路なら背泳ぎはまだいける』とずっと思っていた。水中のバサロがすごく得意なのでそこでリードできると思っていた」。その言葉通り25メートルの折り返しでリードをつくり、0.03秒差を制した。 男子400メートル個人メドレーに出場した上川畑英(政経1=淑徳巣鴨)。100メートル地点を2位で折り返すと、背泳ぎでも体半分ほどのリードをつけ首位を泳ぐ松下知之(スウィン宇都宮)にしっかり付いていく。しかし最後の25メートルのターンで牧野航介(東洋大)に追い上げられ、3着でゴールした。 昨年度男子200メートル背泳ぎで優勝した栁川大樹(政経3=日大藤沢)。十分な練習を積めていないながらも「思ったより遅くはなかったので良かった」。ラスト25メートルのバサロで驚異の追い上げを見せ、これまで首位だった江戸勇馬(チームリブ)を抜き去りゴール。昨年度に続く優勝で見事連覇を達成した。勢いそのままに2日目の男子100メートル背泳ぎでもその強さを見せ、昨年度と同様に2位で表彰台に上がった。 今後の競泳は、12月にはジャパンオープン、来年3月にはパリ五輪選考会が控える。波に乗る紫紺のスイマーに、さらなる活躍への期待が高まる。 [上原朋子] 試合後のコメント五味――優勝という結果についていかがですか。 「本命の自由形じゃなくて背泳ぎでの優勝だったんですけど、優勝というのは自信になるしすごくうれしいです」 ――今後の目標や意気込みをお願いします。 「パリ五輪には個人で絶対出たいと思っています。すごくきついトレーニングが待っていますが、それに耐えて五輪に出た時の喜びはすごく大きいものだと思うので、それを味わうために今からしっかり努力していきたいです」 栁川――今後の目標や意気込みをお願いします。 「一番はパリ五輪の選考会でパリ五輪の代表を決めるので、それに向けて試合が三つあるので安定してタイム出せるようにしたいです」 木津喜一花(商1=淑徳巣鴨)――得意のバタフライはどんな意識を持っていましたか。 「ドルフィンでできるだけ前に出られるようにして、あとタッチとターンが大事になってくるのでそこは合わせられるように意識しました」READ MORE -
男子総合優勝 天皇杯奪還果たす 女子はシード権維持達成/日本学生選手権
水泳(競泳) 2023.09.04日本学生選手権(以下、インカレ)3年ぶりの男子総合優勝となった。4日間で合計10個のメダルを獲得し、2位の日大と70点差をつける大差で天皇杯奪還を果たした。一方の女子も総合8位となり、目標としていたシード権維持を達成した。 ◆8・31~9・3 日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)◆4日目▼男子50メートル自由形4位 五味 22秒61▼女子100メートルバタフライ4位 水口 59秒70▼男子100メートルバタフライ4位 成嶋 52秒548位 餅田 53秒13▼男子200メートル平泳ぎ1位 廣島 2分09秒407位 林 2分13秒24▼女子4×200メートルフリーリレー8位 長尾・水口・木津喜・田嶋 8分21秒50▼男子4×200メートルフリーリレー4位 清水・加藤・スコット・田渕 7分17秒52 ▼男子総合順位1位 明大 474.5点2位 日大 397.0点3位 早大 337.0点 ▼女子総合順位1位 中京大 358.0点2位 近大 294.0点3位 神大 291.0点8位 明大 146.0点 この日唯一の表彰台入りを果たした廣島偉来(政経3=淑徳巣鴨)。「調子が良く前半攻めすぎると思ったので、後半にばてないよう気をつけた」。前半は3位につけ、100メートル地点で首位に躍り出ると、体半分ほどのリードをつけた。そのまま首位を譲ることなくゴール。見事優勝を果たし、大きく明大に貢献した。 リレーでは得点が2倍となり、総合得点に大きく関わる。男子4×200メートルフリーリレー決勝には、予選からメンバーを2人替えて臨んだ。日大と早大が抜け出し、明大はそれを追う展開。隣のレーンを泳ぐ近大との3位争いは、4泳の田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)に託された。最後までどちらが勝つか分からない接戦だったが、0.3秒差で競り負け、表彰台に上がることはかなわず。「3年生のエースとして後輩にメダルを取らせてあげたかったし、予選を泳いでくれた2人(鈴木優太=法4・埼玉栄、渡辺裕太=営1・日大藤沢)にメダルをかけてあげたかった」(田渕)と悔しさをにじませた。 女子4×200メートルフリーリレーは苦しい展開となった。1泳の長尾佳音(営2=武蔵野)が首位で戻って来るも、この日4本目のレースとなった水口知保(営4=目黒日大)以降は失速。少数精鋭である女子部の難点が露呈する形となってしまった。しかし「決勝に残らないとシード権が怪しかったので、予選を勝ち上がれば決勝はもう楽しむことだけを考えていた。どんなタイムでも楽しめたのは明治の女子のいいところだと思う」(水口)と前向きに振り返った。女子総合では9位の筑波大に9点差をつけ、146点と総合8位で大会を終えた。この結果により女子部は来年度のシード権を獲得。目標としていたシード権死守を達成してみせた。 男女共に目標達成した今大会。しかし「優勝が大樹(栁川・政経3=日大藤沢)と偉来(廣島)と(400メートルメドレー)リレーだけだったので、僕も含めてもう何個か優勝できればよかった」(田渕)と、さらに上を見据えている。4日間を戦い抜き、栄光を手にした明大勢の活躍にさらなる期待が寄せられる。 [上原朋子] 試合後のコメント林太陽(商4=武南学園武南)――レースを振り返っていかがですか。 「人生最後のレースで、レース前ちょっと泣いてしまってレースどころじゃなくなってこういう結果になっちゃったんですけど、この17年間の水泳人生に悔いはないです」 ――インカレ中のチームの雰囲気はいかがでしたか。 「インカレは特別な試合で、今年は天皇杯取れるという自覚もあってすごくいい雰囲気でした。前日アップからすごく盛り上がりがあったかなと思います」 廣島――インカレを振り返っていかがですか。 「タイム自体はどちらもすごくいいわけじゃないけど、久しぶりに自分も好調を感じてて、けどちょっと物足らなくてっていう。でもこのタイムで泳げたことは全然悪いことじゃないのでポジティブに来年につなげていきたいです」READ MORE -
栁川が100メートル背泳ぎ連覇 男子メドレーリレーも金獲得/日本学生選手権
水泳(競泳) 2023.09.03日本学生選手権(以下、インカレ)は後半戦が始まった。この日、男子100メートル背泳ぎに出場した前回覇者の栁川大樹(政経3=日大藤沢)が貫録の泳ぎで優勝。大会連覇を達成した。また男子400メートルメドレーリレーでは並みいる強豪校を押しのけ、金メダルを獲得。チーム力で頂点をつかみ、明大男子は総合順位で1位に浮上した。 ◆8・31~9・3 日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)◆3日目▼女子100メートル背泳ぎ8位 遠藤 1分03秒43▼男子100メートル背泳ぎ1位 栁川 53秒862位 松山 54秒238位 成嶋 58秒90▼男子200メートル個人メドレー2位 廣島 1分59秒055位 加藤 2分01秒24▼女子400メートル自由形2位 長尾 4分13秒79▼男子400メートル自由形3位 清水 3分51秒025位 庭野 3分52秒816位 田渕 3分53秒99▼男子400メートルメドレーリレー1位 松山・小嶋・成嶋・五味 3分35秒27 インカレ3日目。男子100メートル背泳ぎに明大から栁川大樹(政経3=日大藤沢)、松山陸(商4=春日部共栄)、成嶋義徳(政経1=八王子)の3人が決勝へ。決勝のレースではまず松山が得意の前半で先行。集団を率いて、折り返した。ここから上がってきたのは、前半から攻めの泳ぎ3位につけていた栁川。「前半気持ち良く早く入って、後半にさしてやろうと思っていた」(栁川)。世界選手権(以下、世界水泳)で日本中を驚かせた追い上げを見せ、1位でゴール。2位には松山が入り、見事明大がワンツーフィニッシュ。栁川は大会連覇も成し遂げた。 総合順位を大きく左右するリレー種目。この日は4×100メートルメドレーリレーが行われ、男子は予選7位で決勝進出。決勝はメンバーを総入れ替えし、松山、小嶋壮(情コミ2=桐光学園)、成嶋、五味智信(商3=湘南工科大付)の4人で臨んだ。レースは明大が終始リードする展開に。1番手の松山がここでも先行。最高学年の意地を見せ、大きな差をつけて2番手へ。バトンを受け取った小嶋は前日の好調ぶりを見せる継泳で、リードを守り切った。3番手・成嶋は1年生ながら、堂々とした泳ぎを見せた。「先輩方から受け継ぐ貴重なバトンを、自分にできる最高のレースで最後つなげられたらなと」(成嶋)。本多(日大)ら実力者からの追走を振り切り、最終泳者の五味へバトンを渡した。五味も世界水泳代表の力を遺憾(いかん)なく発揮する。ラスト50メートルからさらに2位以下を突き放し、そのままフィニッシュ。見事1レーンから優勝を決め、金メダルを獲得した。 女子では長尾佳音(営2=武蔵野)が2日目に続く活躍を見せた。400メートル自由形で、前半から2位集団を引っ張り、好機をうかがう。そして300メートルから強さを見せ、どんどん後続を離していく。ラスト50メートルはさらにリードを広げ2着でゴール。200メートル自由形に続いて銀メダルを獲得したことに「どちらもメダルを取れると思ってなかったので、想像以上にいい結果でした」(長尾)と、個人種目を振り返った。 インカレはついに最終日を迎える。出場選手全員が予選を突破した3日目の結果を受けて、明大男子は1位に浮上。女子はシード権内の8位をキープした。「優勝を最高の形にしたい」(五味)。男子の天皇杯奪還、女子のシード権獲得はもう目前だ。 [末吉祐貴] 試合後のコメント松山――ラストイヤーでの優勝。結果をどう受け止めていますか。 「監督に結果で恩返しってことで、個人で優勝、メドレーリレーでも優勝って目標を掲げていました。ですが、メドレーリレーは後輩に譲ってもらった形で優勝、個人は2番になってしまったので悔しい気持ちが強いです。社会人でも続けるので監督を五輪に連れていけるように頑張りたいと思います」 廣島偉来(政経3=淑徳巣鴨)――小方(日大)を追いかける展開でしたが、いかがでしたか。 「本当だったら、並んで競る展開がやりたいんですけど、並べず最後ちぎられました。ターンするところは一緒が良かったです」 長尾――レースを振り返っていかがですか。 「今日は予選で8割から9割の力を出し切ってきつかったので、昨日よりも決勝の余力がなくて、不安がありました。レースは最初の前半の動きが良かったので、後半も上げられるなと思いました」READ MORE -
熱戦のインカレ2日目 4個のメダル獲得/日本学生選手権
水泳(競泳) 2023.09.02日本学生選手権(以下、インカレ)は2日目を迎えた。明大勢は女子200メートル自由形で長尾佳音(営2=武蔵野)が2位に輝くなど、個人種目、リレー種目合わせてこの日4個のメダルを見事獲得。2日目終了時点で男子総合順位は3位、女子総合順位は8位という結果となり、インカレ前半戦を折り返した。 ◆8・31~9・3 日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)◆2日目▼男子1500メートル自由形7位 庭野 15分39秒04▼女子200メートル自由形2位 長尾 1分59秒85▼男子200メートル自由形3位 清水 1分48秒18▼女子200メートルバタフライ2位 水口 2分08秒91▼男子200メートルバタフライ6位 上川畑 1分58秒50▼男子100メートル平泳ぎ6位 小嶋 1分00秒96▼女子400メートルフリーリレー7位 田嶋・長尾・木津喜・水口 3分48秒27▼男子400メートルフリーリレー3位 餅田・成嶋・渡辺・五味 3分18秒20 前日の勢いそのままに、さらに弾みをつけたい大会2日目。女子200メートル自由形では長尾が自己ベストを更新する堂々の泳ぎを見せた。前半100メートルは4位で折り返すと、そこから徐々にギアを上げていく。150メートル地点では上位との差をさらに縮め、混戦となる2位争いに加わる。「前半離されずに、後半ラストスパートで持ち味を出すことを意識していた」(長尾)と、驚異の追い上げで巻き返したのはラスト50メートル。隣のレーンの2選手との激しい争いを得意の後半で制し、レース後にはガッツポーズを繰り返し喜びをあらわにした。逆転のレース展開で自己ベストを記録した長尾は、昨年度の同大会同種目4位の悔しさを晴らし、見事銀メダルを勝ち取った。 女子主将としてチームを率いる水口知保(営4=目黒日大)は女子200メートルバタフライに出場。「予選ではあまり思うようにいかなかったが、決勝で入場した時にここで勝たなければいけないと思った」(水口)と、決勝の舞台では予選から気持ちを切り替え挑んだ。前半から積極的に勝負を仕掛け、100メートル地点では1分01秒60の好ペースで折り返す。その後も粘りのレースで、インカレ4年連続出場の同種目において初の表彰台入りとなる、2位に輝いた。 男子200メートル自由形に登場したのは清水博斗(政経2=日大藤沢)。予選を全体1位で通過する好発進から、「隣の田中大寛(早大)選手に前半ついていって、後半粘ってラストに差し切れれば」(清水)といったプランで決勝に臨む。そのプラン通り最初のターンから3位の好位置につけ、首位に食らいついていった。そこから追い上げは惜しくもかなわなかったものの、自己ベストをたたき出す泳ぎを見せ3位で表彰台入りを果たした。 2日目の最終種目を飾った4×100メートルフリーリレーでは、男女共に大健闘を見せた。女子は同日個人種目に出場した選手が複数名いた中で、予選5位で決勝進出を決めた。決勝ではそれぞれが懸命な泳ぎで上位を狙い、序盤から順位を落としたものの7位でフィニッシュ。「4年生として、みんなに決勝の舞台で楽しんでもらえるようにという気持ちで予選から頑張れたので、決勝はみんなで楽しむことができて良かった」(水口)。全員が躍動しバトンをつなぎ切った決勝の舞台だった。 続く男子は、4人中3人が1年生で構成されたメンバーで今大会のレースを迎えた。第1泳者の餅田凛太郎(法1=法政二)は出だしから日大、早大ら上位校に食らいついた。「インカレ初めての決勝でとても緊張したが、自分のベストを尽くせた」(餅田)と振り返る通り、明大に勢いをつけ5位で次に託す。同じく1年生で第2泳者の成嶋義徳(政経1=八王子)も「予選はうまく泳げなくて不安だったが、決勝ではタイムを上げられた」と、継いだ順位をキープする。そして続く渡辺裕太(営1=日大藤沢)は、自身の折り返し地点から徐々に上位との距離を詰める泳ぎで順位を上げ、ここから日大と2位を争う展開へ。ここまで1年生3人がつないだ3位のバトンを受けるアンカーは3年生の五味智信(商3=湘南工科大付)。リレーメンバー最上級生としての責任を胸にチームを引っ張る五味は日大と大接戦を繰り広げる。自身の50メートル地点ではその差を0.33秒にまで縮め、折り返してからもほとんど横並び。勝負の行方はタッチの差だった。惜しくも0.14秒差で、2位の日大には競り負ける結果となった。それでもなお、3位と堂々の表彰台入り。悔しさも残るレースとなったが、チーム一丸で追い上げてみせた。 大会2日目を終えて大学対抗の全体順位が変動。女子は前日から順位を上げ、シード権内である8位に入った。この調子で、目標のシード権獲得を目指したい。一方男子は前日の1位から3位へと順位を落とす結果に。だが、3日目以降も明大勢には実力者が控えている。インカレはまだ前半戦が終わったばかりだ。後半戦のさらなる活躍に期待したい。 [橋本太陽] 試合後のコメント田嶋玲奈(情コミ4=春日部共栄)――リレーチーム全体を振り返っていかがですか。 「決勝に残ることが目標だったので、決勝で泳げてすごくうれしいです」 五味――リレーチーム全体を振り返っていかがですか。 「2位の日大まで0.1秒差は、勝ち切れなかったのは全部僕のせいだと思いますし、1年生がすごく緊張して少し固くなってしまったというのも、もう少し僕に安心感があれば防げたことだと思っています。本当に1年生3人はすごくいいタイムで泳いできてくれたし、将来を考えても明治を引っ張っていく3人だと思うので、僕もいいタイムを出してこれが明治だぞというのをその背中で見せられたらなと思います」 木津喜一花(商1=淑徳巣鴨)――リレーでの泳ぎを振り返っていかがですか。 「4人中2人は今日個人種目があり、4レースはとてもきついと思うので、私がタイムを上げなければいけないと思って泳ぎました」 渡辺――リレーでの泳ぎを振り返っていかがですか。 「この大会は結構懸けていた試合で、調整合宿でもとても調子が良かったのですが、思っていたタイムが出ず自分のせいで3位に終わったと思っています。この悔しい気持ちを明日、明後日に向けて頑張りたいと思います」READ MORE -
インカレ初日好発進 栁川、上川畑が表彰台入り/日本学生選手権
水泳(競泳) 2023.09.014日間にわたる日本学生選手権(以下、インカレ)がいよいよ開幕。初日は、明大から14人の選手が出場した。そのうち12人が予選通過し勢いを持つ明大。初日の競技終了時点でメダルを2個獲得、学校対抗得点では、男子1位となった。 ◆8・31~9・3 第99回日本学生選手権(東京アクアティクスセンター)◆1日目▼男子400メートル個人メドレー3位 上川畑 4分14秒366位 田渕 4分21秒088位 渡辺 4分29秒26▼男子200メートル背泳ぎ2位 栁川 1分57秒588位 松山 2分00秒38▼男子100メートル自由形4位 五味 49秒31 大学水泳最大の大会であるインカレがついに始まった。大学別で対抗戦をする本大会。今年度の明大の目標は、男子は天皇杯奪還、女子はシード権の獲得。その目標に向けて、初日は男子12人、女子2人が出場した。世界選手権(以下、世界水泳)明けということもあり、各大学から日本代表に選ばれた選手も多く出場し、熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられた。 400メートル個人メドレーでは、世界水泳を経験してきた小方颯(日大)、本多灯(日大)に続いて、上川畑英(政経1=桐光学園)が4分14秒36で3位に。見事、表彰台入りを果たした。田渕海斗(情コミ3=日大藤沢)、渡辺裕太(営1=日大藤沢)も決勝入りを果たし、明大の得点源の一つとなった。200メートル背泳ぎでは栁川大樹(政経3=日大藤沢)が2位。前半100メートルを58秒63と7位で折り返すと、150メートル時点で1分28秒99と4位まで順位を上げる。ラスト50メートルで猛追するも、0.19秒差で2位となった。「優勝したかったが、自分の全力を出した結果の2位なので、自分の実力が足りなかった。悔しいがまた次頑張っていきたい」(栁川)と今後に向けて前向きな姿勢を見せた。100メートル自由形では五味智信(商3=湘南工科大付)が決勝で4位になった。あと0.11秒というところでメダルを逃す結果に。「泳ぎが世界水泳以降しっくりきていなくて模索している」(五味)と語りながらも、エースとして残りのインカレに向けてしっかり切り替えていく。1500メートル自由形では庭野直樹(商2=埼玉栄)が15分30秒31で決勝進出。昨年度に引き続きメダル獲得への期待がかかる。 女子は、200メートル背泳ぎに遠藤渚(理工2=八王子学園八王子)、100メートル自由形に田嶋玲奈(情コミ4=春日部共栄)が出場し、それぞれB決勝に進出した。遠藤は2分19秒45で8位、田嶋は56秒87で5位という結果で、学校対抗順位は15位という位置に着いた。遠藤はメインでない200メートルにもかかわらず見事予選を突破。「メインの100メートル背泳ぎも頑張って、女子でシード権獲得できるように頑張りたい」(遠藤)とシード権獲得に意気込む姿を見せた。 1日目を終え、チームとして好発進を切った明大。選手によっては満足にいかなかったレースもあったが、全員が一丸となって目標を見据えている。また、1年生の活躍も見られ、明大の今後にも期待がかかる試合となった。この4日間、熱い戦いを繰り広げるスイマーたちから目が離せない。 [中川美怜] 試合後のコメント五味――ご自身の泳ぎを振り返っていかがでしたか。 「いい時もあれば悪い時もあるということが分かりました。けれど、やはりエースと呼ばれるからには勝たなければいけないレースというのは絶対あると思います。それが今のレースでした。それを逃している時点で少し弱いなということだけは思いました」 ――今後に向けてどうしていきたいですか。 「まだインカレは始まったばかりで、落ち込んでいる暇もないので、4日間しっかり戦い抜いて(いきたいです)。来年にはもうパリ(五輪)があるので、今の結果だと簡単に負けてしまうと思うので、そこは勝てるようにもう一回努力していきたいです」 上川畑――初のインカレという舞台で、実際に泳いでみていかがでしたか。 「大会前日に集まった時に、キャプテンや監督が盛り上げてくれて、予選は少しきつかったですが、その雰囲気のおかげで決勝に残ることができました」 ――予選の感想を聞かせてください。 「隣が本多灯(日大)くんというオリンピックメダリストで、ついていけばいいタイムが見えてくると思いながら泳いでいたので、しっかり先行できたことは良かったと思います」READ MORE
特集記事 SPECIAL
部の紹介 INTRODUCTION
水泳部は明治44年に創部。現在は生田校舎の合宿所に拠点を置き、選手たちは日々切磋琢磨(せっさたくま)している。クラブチームに所属している寮外生もいるため、全員で一緒に練習する機会は少ないが〝総合力〟を重視した体制で男子部は日本学生選手権で優勝多数。2016年には創部史上初となる連覇を達成した。年々選手のレベルも上がっているため、日本トップレベルでの争いが毎年期待されている。また学生ながら国際大会に出場する選手も多く、在学中の五輪メダリストを輩出する日もそう遠くはない。