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女子シングルス2人を残し、明大勢の大半がベスト16で終戦/関東学生選手権4日目
硬式庭球 2023.11.17関東学生選手権(以下、夏関)4日目。男女シングルス4回戦と男女ダブルス3回戦などが行われ、ベスト8を懸けたハイレベルな戦いが繰り広げられた。試合の結果、明大勢は女子シングルスの鈴木渚左(国際3=野田学園)女子部主将と丸山愛以(商2=四日市商)がベスト8進出。その他の選手はベスト16の成績で今大会を終えた。 ◆11・13~19 関東学生選手権(大宮けんぽグラウンド)▼11・16[男子シングルス4回戦] 鈴木久 0{4―6、1―6}2 髙(日大)○ [女子シングルス4回戦]〇鈴木渚 2{6―1、6―2}0 齋藤(亜大)〇丸山 2{6―1、6―3}0 中川(山梨学大) [男子ダブルス2回戦]〇太田・今里組 2{7―6、7―6}0 木原・栗山組(早大) [男子ダブルス3回戦] 太田・今里組 1{2―6、6―1、11―13}2 森田・永山組(早大)〇 鈴木久・大野組 0{3―6、5―7}2 中村・山本組(筑波大)〇 [女子ダブルス2回戦]〇鈴木渚・五十嵐組 2{6―1、6―1}0 上田・岩佐組 (山梨学大) [女子ダブルス3回戦] 吉田華・長谷川組 0{1―6、0―6}2 田村・稲葉組(駒大)〇 鈴木渚・五十嵐組 1{3―6、6―2、11―13}2 児山・齋藤組 (亜大)〇 【男子シングルス4回戦:鈴木久統(政経3=湘南工科大付)VS高悠亜(日大)】 ベスト8を懸けた戦いを制することができなかった。全日本学生選手権(インカレ)ベスト4の格上相手に対して「チャレンジャー精神で入れたので、気持ちは結構楽だった」。序盤はテンポの速いラリーに食らいつき、互角の戦いを繰り広げる。その中でも相手の豪速球を拾ってショートクロスに決め球を放つなどスーパープレーを見せ、応援していた部員をうならせた。キープとブレークを繰り返し、カウントは4―4。しかし「大事なところでボレーのミスがあって、そういうところはやはり差が出てしまった」。そこから2ゲームを連取され、4―6で第1セットを奪われた。 第2セットでは、相手がさらに勢いづく。「どんどん(相手の)気持ちが楽になって、たくさん打ってきたので、あそこまでいったら手がつけられないなっていうのが正直なところ」。フォアが得意な相手に対し、バックサイドに積極的に打ち込むが、回り込まれてフォアを打たれてしまう。勢いを止めることができず、カウントは0-4。5ゲーム目では相手のミスを誘って1ゲームを報いるも、最後は1―6で敗北した。 明大男子シングルス最後の希望であった鈴木久は、夏関ベスト16という結果に。それでも「最低限の結果は残せた」。4回戦まで勝ち上がったという自信を胸に、12月の全日本学生室内選手権(以下、インカレインドア)へ挑んでいく。 【女子ダブルス3回戦:鈴木・五十嵐唯愛(政経2=四日市商)組VS児山心美・齋藤瑠奈組(亜大)】(写真:試合中の鈴木渚(左)・五十嵐組) 逆転勝利には一歩及ばなかった。9月の関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)をもって新体制となったことに伴い、ダブルスのペアも変わった明大。そのうちの1組である鈴木・五十嵐組は、今大会での優勝を目標に練習を重ねてきた。大会4日目のこの日は、前日から続いていた2回戦の再開試合、さらに鈴木渚はシングルスの試合もこなし、2人は午後の今試合に挑んだ。 試合はキープ合戦の立ち上がりで、第4ゲームまで両者譲らずゲームカウント2―3に。しかし鈴木渚のサービスゲームとなった第5ゲームは、ダブルフォルトも響きジュースの末にキープできず。流れを渡してしまい3―6で第1セットを落とした。続く第2セットは「唯愛(五十嵐)が『ロブを使った展開の方がポイント取れている』と言ってくれた」(鈴木渚)ため、しっかり打ちつつもロブを使って展開するプレーを本格的に実践。「リズムよく2人のプレーができたので、ポイントが取れた」(鈴木渚)。第1セットとは一転、今度はカウント6―2と圧倒し、勝負は最終10ポイントタイブレークに持ち越された。序盤は第2セットの勢いそのままにカウント5―1と大きくリード。その後は競り合うもカウント9―7とし、2度のマッチポイントを握った。しかし「あと1本となった時に、それまでのプレーができなかった」(五十嵐)。ダブルフォルトとリターンミスが重なり、カウント9―9に並ばれると、最後は巻き返すことができず。カウント11―13という僅差での敗戦となった。 「結果としてはとても悔しいが、最初組むってなった時よりは練習を重ねて良くなった」(五十嵐)。ドロー数の違いなどがあるものの、昨年度の夏関と比べれば両者とも戦績を落とす形となった2人。しかし、今大会を通してペアでの連携を深めるなど、収穫もあった。「全国の大会でベスト8以上を狙えるようにしたい」(鈴木渚)。ペアが今後も続くかは未定ではあるが、今度彼女たちが姿を現すときは、さらに成長したプレーを見せてくれるに違いない。 大会4日目を終え、残るは女子シングルスの2人のみとなった明大。悪天候の予報により順延となる大会5日目は、鈴木渚と丸山による明大対決の女子シングルス準々決勝が予定されている。関東王者に向けてベスト4進出を決めるのはどちらか。注目の一戦に期待が高まる。 [春木花穂、渡辺悠志郎] 試合後のコメント鈴木久――自分のプレーを振り返って良かったところを教えてください。 「今日の良かったところは、途中何度か回り込まれていたんですけど、フォアのクロスを打って前に出て、決めるっていうのは結構相手も効いていて、そこはすごく良かったところです。逆にもっと使えたんじゃないかなっていうところもありました」 ――この大会を通して成長した点とかはありますか。 「やはり自信になりました。この最上級生が少なくなった中で、僕らがほぼ最上級学年なので、(結果は)良くなかったですけど、その中でもやはりしっかり16位以内に入れたことは、良かったかなと思います」 ――インカレインドアに向けての目標をお願いします。 「インカレインドアは最低ベスト8を目指して、みんなこの大会(夏関)よりも 多分ギアを上げてくると思うので、その中で引かずにベスト8に入れるように頑張ります」 鈴木渚――ペアの連携は今日いかがでしたか。 「自分も唯愛もそうなんですけど練習から考えてやるタイプで、ファーストセットは『なんで取れてないんだろう』って思ってすごい悩んで、ネガティブな発想が多くなってしまいました。でも唯愛が『ロブ使った方がポイント取れています』みたいな感じで、唯愛目線でぽんとアドバイスをくれるので、それが私にもはまって『あ、分かった』って言って、 それを増やすことによってまたポイントも取れ出しました。唯愛が発言してくれることで、自分は結構考え方を変えることができて、いい形に持っていけるなって今日思いました」 ――シングルスの意気込みをお願いします。 「優勝目指してやってきたので、目の前の一戦だけに集中して頑張っていきたいって思います」 五十嵐――今日の試合中のプレーはいかがでしたか。 「ダブルスって基本スライスは使わないんですけど、相手の前衛がほとんど出てきてなかったので、浅いボールはスライスを使えたから使ったっていう感じでした。ロブは相手の嫌な展開にするために、ストレートロブを使って相手を振り回すのが効果的だと思ったので、そういう面では多彩にプレーをしていたかなって思います」 ――今後の目標を教えてください。 「まず今年のリーグ戦で結果が散々だったので、リーグ戦でしっかり勝てるようにシングルスも練習していかないとなと思います。ダブルスはまだ全然、大学に入って始めて、練習するごとに上達はしているんですけど、まだ試合で自信が持てていないところがあるので、もっと練習していきたいなと思います」READ MORE -
波乱の3日目 明大勢は10人が4日目へ/関東学生選手権3日目
硬式庭球 2023.11.16関東学生選手権(以下、夏関)の本戦3日目。男女シングルス3回戦、2日目から延期された女子ダブルス1回戦、男女ダブルス2回戦が行われた。明大からはシングルスで3人、ダブルスで2組がベスト16へと駒を進める結果となった。 ◆11・13~19 関東学生選手権(大宮けんぽグラウンド)▼11・15[男子シングルス3回戦]〇鈴木久 2{6―3、6―0}0 高木(慶大)山中 1{6―2、0―6、0―6}2 山内(筑波大)○今里 0{4―6、2―6}2 石関(東京国際大)○ [女子シングルス3回戦]〇鈴木渚 2{6―1、7―5}0 星野(東京国際大)〇丸山 2{6―4、6―4}0 森岡(早大)五十嵐 1{1―6、6―2、3―6}2 櫻田(筑波大)○ [男子ダブルス2回戦]飯田・山中組 0{1―6、2―6 }2 藤野・北牧組(駒大)○〇鈴木久・大野組 2{6―4、6―2}0 丹下・小泉組(日大)※その他の試合は日没のため打ち切り [女子ダブルス1回戦]○吉田・長谷川組 2{6―4、3―6、10―7}1 髙田・宮本組(駒大) [女子ダブルス2回戦]○吉田・長谷川組 2{6―3、6―4}0 茅根・宮川組(日大)※その他の試合は日没のため打ち切り 【女子シングルス3回戦:丸山愛以(商2=四日市商)VS森岡きらら (早大) 】 丸山が安定した強さを見せつけ勝利を挙げた。第1セットは互いにサービスゲームをキープし続ける展開が続く。持ち前の強烈なフォアハンドで果敢に攻めるも、試合序盤は思うようにコート内に収まらずミスを重ねる。それでも徐々に調整を重ねていき迎えた9ゲーム目。ネットすれすれの激しいラリー戦を意地で制し、この試合初のブレークに成功。その後の10ゲーム目も難なくキープし、第1セットを6―4で獲得した。 続く第2セットもキープ合戦が続く。何としてでも先にブレークに成功したい丸山は、強烈なストロークにドロップやスライスなど緩急を織り交ぜた攻撃で相手のミスを誘う。すると、少しずつ相手のリズムに乱れが見え始めミスが目立つように。そして、7ゲーム目の相手のサービスゲームでブレークに成功すると、そのままお互いが1ゲームずつキープし合い迎えた10ゲーム目。何度も相手にブレークポイントを握られ窮地に立たされるも、粘り強いプレーでラリーを続け、フォアの深いボールで相手のミスを誘発する。最後も丸山の深いショットを返した相手の打球が、ベースラインの外側に落ちゲームセット。第2セットも6―4で制し、見事なストレート勝ちで4回戦へと駒を進めた。 【男子ダブルス2回戦:鈴木久統(政経3=湘南工科大付)・大野琢実(商1=大分舞鶴)VS丹下颯希・小泉煕毅組(日大)】 「相手が格上だったので、僕たちはチャレンジャーの気持ちでやれた」(大野)。第5シード相手に大金星を挙げた。第1セット、出足が遅く1ゲーム目をラブゲームで落としてしまう。しかし、カウント2―2で迎えたリターンゲーム。ラリーで粘りを見せチャンスをつかむ。スマッシュやボレーを確実に決め4点連取でブレーク成功。「何度か相手に簡単にゲームを取られてしまったり、もったいない落とし方があった。その中でも締めるとこは締めてしっかり取れたのは大きかった」(鈴木久)。流れそのままに第1セットの獲得に成功した。 続く第2セットも鈴木久・大野組の勢いは止まらない。リターンゲームのジュースで大野がサービスに対してストレートアタック。相手のボレーヤーは反応できず先制すると、2点目は鈴木久が思いきったポーチに出る。「相手の試合の動画を見て、丹下はバックのクロスのリターンが多いっていうのは知っていた」。鈴木久のボレーは見事に足元に決まりブレークに成功。最終スコア6―1で第2セットを獲得し勝利を挙げた。「今日の勝ちを自信につなげて、チャレンジャーの気持ちを忘れず、一個一個頑張ります」(大野)。1次予選から勝ち上がった明大ペアの躍進が止まらない。 本戦3日目はシングルスが3人、ダブルスが2組勝ち残った。上位シードとの対戦カードも増えてくる。明大勢の躍進から目が離せない。 [久保田諒、保坂啓太郎] 試合後のコメント鈴木久――今日の試合の振り返りをお願いします「相手は正直僕たちよりも結果があって、最初から僕らの方がリラックスした気持ちで結構入れて、それでやっぱり序盤、相手より自分たちが前に出て主導権を握れたから良かったかなと思います」 ――ペアを組んだきっかけを教えてください。「山中とかポイント持ってる勢で組んで、僕らはお互いポイントないんで1次予選からだったんですけど、2人ともシングルの結果が出ててダブルスできるんで、組もうっていう(話になりました)」――ペアの強みを教えてください。「大野はやっぱサーブが跳ねるので、僕が結構動きやすい。僕のプレースタイルはボレーで動くんで、それがやっぱマッチしているのと、あと気持ちが強いので、大事なところとかでバックリターン入れてくれたり、僕もしっかり安定してリターン入れてから取ろうっていう気持ちにもなれるので、そこは強みですね。スマッシュがすごくいいんで、ツーボレーになった時とかもロブ上がったら基本任せているので、それがすごく強いです」 大野――今日の試合の振り返りをお願いします。 「調子は良かったです。久統さんが悪い時間帯もあれば、僕が悪い時間帯もあるんで、お互い助け合えるっていうのが、ダブルスの面白さ、信頼さでもあるので、僕たちの方が相手より良かったかなと思います」 ――今日の試合の良かったところと悪かったところを教えてください。 「バックハンドが得意なので、そこでどんどん自分から攻撃していけたのが良かったなと思います。悪かったところは、相手もストロークがいいのでそれはちょっと負けちゃったところです」 ――次戦の意気込みをお願いします。 「今日の勝ちを自信につなげて、チャレンジャーの気持ちを忘れず、一個一個頑張ります」 READ MORE -
結果振るわず 明大勢は半数以上が敗退/関東学生選手権2日目
硬式庭球 2023.11.14初日とは一転、風がない穏やかな秋晴れとなった関東学生選手権(以下、夏関)の本戦2日目。試合は男女シングルスの2回戦と延期された男女ダブルスの1回戦が行われた。明大勢は、この日行われた計20試合(※1試合は打ち切り)のうち、半数以上の11試合で敗北。本戦2日目にして追い風がやむ、厳しい結果となった。 ◆11・13~19 関東学生選手権(大宮けんぽグラウンド)▼11・14[男子シングルス2回戦] 飯田 1{2―6、6―3、4―6}2 佐藤(法大)〇 大久保 0{2―6、1―6}2 石井(中大)〇〇鈴木久 2{6―4、6―0}0 宮﨑(立大) 松本 1{6―4、4―6、1―6}2 田中(筑波大)〇〇山中 2{7―5、6―2}0 植田(東京国際大)〇今里 2{6―1、6―0}0 逆瀬川(日大) 村田 0{3―6、1―6}2 髙(日大)〇 河野 0{3―6、1―6}2 石関(東京国際大)〇 [女子シングルス2回戦]〇鈴木渚 2{6―0、6―0}0 平出(日女体大) 大沼 0{2―6、0―6}2 渡邊(慶大)〇〇丸山 2{6―2、6―3}0 小川(立大)〇五十嵐 2{6―1、6―3}0 白石(駒大) 長谷川 0{4―6、3―6}2 小林(早大)〇 [男子ダブルス1回戦]〇太田・今里組 2{4―6、6―3、10―5 }1 山田・原田組(法大) 大久保・吉田組 0{5―7、3―6}2 石関・南組(東京国際大)〇〇鈴木久・大野組 2{7―5、6―4}0 谷・橋本洸組(亜大) 松本・村田組 0{3―6、5―7}2 小林・新垣組(立大)〇 河野・京谷組 0{2―6、4―6}2 二條・真中組(亜大)〇 [女子ダブルス1回戦] 丸山・藤永組 0{2―6、2―6}2 小川・松田組(立大)〇※その他の試合は日没のため打ち切り 【男子シングルス2回戦:河野隼也(営1=鳳凰)VS石関皓 (東京国際大) 】(写真:プレー中の河野) 格上相手に戦い抜いた。5月の関東学生トーナメント(以下、春関)で予選敗退を喫した河野は、今大会初めて本戦に進出。初日に勝ち星を挙げて挑んだ2回戦の相手は、第23シードの実力者だった。「本戦に出られて1回勝てたのは良かったが、2回戦はちょっとレベルが違った」。試合は、長いラリーが続く幕開けとなった。持ち前の粘り強いプレーで相手に食らいつき、ゲームカウント0-3から一気に3連続でゲームを奪取。カウント3-3に持ち込んだ。続く第7ゲームは河野のサービスゲームだったが、ここでダブルフォルトなどミスが目立ってしまう。「ダブルフォルトがなくて、もっと強気でキープをしっかりしてリードできていたら、相手にプレッシャーがかかって強気でこられなくなっていたと思う」。ここから連続でゲームを失い、第1セットを3-6で終えた。続く第2セットも第1ゲームから競り合う展開に。両者一歩も譲らない長いラリーが続き、7度のジュースの末、ついにこのゲームをブレーク。ただ、その後は決定的なチャンスを作ることができず6ゲーム連続で落としカウント1―6で敗北を喫した。「集中力がちょっと切れてきちゃって、どんどん相手に中に入られちゃってという感じだった」。格上相手に実力差を思い知らされた今大会。この経験をバネに、ルーキーの今後に期待したい。 【女子シングルス2回戦:大沼愛弥(文3=野田学園)VS渡邊多笑(慶大)】 「試合を最後までやりきるというのが最低限の目標だった」。足のケガで約3ヶ月コートから離れていた大沼は、今大会が復帰後初の大会となった。第1セットの第1ゲームは、得意とするフォアハンドでコートの隅を突くショットを放ちキープする。ゲームカウント1ー2で迎えた第4ゲームでは、高低差をつけたボールで相手を揺さぶり、粘り勝つプレーでブレークを奪った。しかし、その後のゲームでは、ジュースの際にチャンスボールを決め切れず、流れをつかみきれなかった。ケガをする前だったら取れていた得点だったと、思い返すことも多かったという。「考えすぎるのもよくないので、一旦できることをしようと思ったが、できることがコートにボールを入れることしかなかった」。相手の猛攻に対応できず、連続でゲームを献上し、第1セットはゲームカウント2ー6で落とした。 勝負の第2セットは、第1ゲームからストレートでブレークを奪われ、苦しい展開のスタートとなる。続くゲームも激しいラリーを繰り広げ、ジュースまで持ち込むが、あと一歩というところで決めることができなかった。「打っても打っても結局返されてしまい、自分のやろうとしてたことを実践できなかった」。相手に主導権を握られ、ストレートでこのセットを落とし、ゲームカウント0―6で試合終了。復帰後初の大会は2回戦敗退となった。悔しい結果となったが、大沼にとって今後につながる試合になったに違いない。王座出場という新チームの最終目標に向けまた一歩ずつ、まずは自身の強さを磨く道を歩み始める。 本戦3日目は、男女シングルスの3回戦や男女ダブルスの2回戦などが行われる。夏関上位進出のためにもここでつまずくわけにはいかない明大勢。各選手の健闘に注目だ。 [渡辺悠志郎、髙橋未羽] 試合後のコメント大沼――足のケガはいつ頃からでしたか。 「インカレ(全日本学生選手権)の直前の対抗戦で靭帯(じんたい)をやってしまって、 松葉杖になってしまったため、インカレもリーグ戦(関東大学女子1部リーグ戦)も1試合も出ることができなかったです。2ヶ月ぐらいはもうその場の手出しとかだけで感覚は忘れないようにしていたのですが、(本格的な練習に)最近になって出たので今大会もギリギリ出るか出ないかみたいな感じでした」 ――今大会で復帰して、初日の一勝は気持ち的にはいかがですか。 「モチベーションの部分では、一つでも勝てたことは、まだあと1年頑張りたいと思えた一勝ではあります」 ――新チームとしての意気込みをお願いします。 「自分たちの代で『絶対王座に行きたい、王座優勝したい』というのを掲げています。新主将の鈴木渚を中心に、今までも王座を目指していたと思うのですが、しっかり計画的に行動で示せているのが今のチームだと思います。鈴木渚がすごく実力があって、みんなが頑張って付いてきてくれているので、今は最終目標として王座に行きたくて自分もそれに貢献できたらなと思います」 河野――今日の良かったところと悪かったところを教えてください。「自分のテニスはしっかりできたかなと思います。粘り強い、自分の得意なテニスはしっかりできたんですけど、もうちょっとチャレンジするところが全然足りなかったです」 ――今後に向けて意気込みを教えてください。「今まで格上というかレベルの高い相手には、テニススタイル的にもやっぱりなかなか勝てたことがあんまりないので、そういうところの人にちゃんと勝てるようにチャレンジしていく練習を頑張りたいです」 ――今後、部でどのような存在になっていきたいですか。「1年生としての役割をちゃんとしながら、やっぱり結果も1年生の頃から残していって、上級生になった時にちゃんと引っ張っていけるようにしていきたいです」READ MORE -
追い風に乗って 明大勢好発進!/関東学生選手権1日目
硬式庭球 2023.11.14強風吹き荒れる中開幕した関東学生選手権(以下、夏関)。明大からは男女合計21人が出場する。初日は男女シングルス13本、ダブルス2本が2回戦進出を決め、幸先の良いスタートを切った。 ◆11・13~19 関東学生選手権(大宮けんぽグラウンド)▼11・13[男子シングルス1回戦]〇飯田 2{7―5、6―4}0 若松(中大)〇大久保 2{6―0、6―1}0 鈴木(駒大) 太田 1{5―7、6―1、3―6}2 逆瀬川(日大)〇〇鈴木久 2{6―1、6―2}0 倉持(中大)〇松本 2{6―0、6―1}0 法華津(早大)〇村田 2{7―6、6―3}0 松浦(亜大)〇今里 2{6―2、6―0}0 植木(駒大)〇山中 2{3―6、6―4、6―4}1 髙妻(筑波大)〇河野 2{6―1、6―4}0 歌津(日体大) [女子シングルス1回戦]〇大沼 2{6―2、3―6、6―1}1 齋藤(順大)〇鈴木渚 2{6―2、6―2}0 岩田(日大)〇五十嵐 2{6―3、6―0}0 萩原(早大)〇丸山 2{6―4、6―2}0 早重(青学大)〇長谷川 2{6―3、6―3}0 小松(駒大) 村松 1{6―3、0―6、5―7}2 渡邊(慶大)〇 [男子ダブルス1回戦]〇飯田・山中組 2{6―0、6―3}0 清水・原田組(日大)※その他の試合は日没のため打ち切り [女子ダブルス1回戦]〇鈴木渚・五十嵐組 2{6―1、6―1}0 園城・小林組(亜大)※その他の試合は日没のため打ち切り 【女子シングルス1回戦:村松果奈(国際2=北陸学院)VS渡邊多笑(慶大)】 「目の前の1ポイントに集中した」。予選を勝ち上がり、大学公式個人戦に初出場を果たした村松。試合開始直後、サービスエースを決められるも「思い切りプレーしよう」とすぐに切り替え、積極的に攻めていく。ボールをライン際に落とし相手を揺さぶると、体勢を崩したところでスマッシュ。球威のある相手に対して繊細なプレーで食らいつき、ミスを誘う。最初2ゲームは連取されたものの取り返し、6―3で第1セットを奪った。しかしここから相手に打ち込まれる展開が続く。また「風上なのにスピンをかけて決めきれなかった」と強風にも翻弄(ほんろう)され、0―6とストレートで第2セットを落とした。 迎えた最終セットは打ち合いのゲームとなった。「攻めようという意識で」。粘り強く返し続け、相手が前へ決めにきたところを逆手に取った鋭いショットでポイントを重ねる。しかし相手も攻めのプレーで流れを譲らない。ほぼ互角の展開で5-6までもつれ込むも、第12ゲームは村松のバックアウトが目立ち、取り切ることができず。セットカウント1-2で大宮の舞台を去った。試合に敗れはしたものの、夏関本戦初出場に加え2時間30分の大熱戦を繰り広げたことで得たものも大きい。次の大会も「目の前に集中して積み重ねる」ことで飛躍するに違いない。 【男子シングルス1回戦:山中朝陽(文2=四日市工業)VS髙妻蘭丸(筑波大)】冷静さが勝敗を分けた。男子シングルス1回戦、山中の相手は昨年度のインターハイで準優勝している髙妻。「風が強い中での試合で、風上や風下の戦い方を変化させることが意外と難しかった」。序盤から相手にペースを握られ、3-3の状態から連続でセットを取られてしまい、第1セットを落としてしまう。続く第2セットでは「諦めかけていたが、いきなり風上でサーブが連続で入った」。連続サービスエースで気持ちを持ち直すもシーソーゲームになり5-4。「なるべく相手に仕掛けさせるようにした」と相手のサービスゲームでブレークポイントを取り、第2セットを6―4でモノにした。最終第3セットでは「コートに入れてれば大丈夫だと辛抱強く入れ続けた」。粘り強いプレーを見せ、6―4で2回戦目に駒を進めた。 2日目は初日で延期になった男女ダブルスのほか、男女シングルスの2回戦が行われる。連日凍えるような寒さだが、選手の活躍を期待したい。[高橋佳菜、大橋英晃]試合後のコメント村松――試合を振り返っていかがでしたか。 「第1セットは風も自分の味方になって、いい風を使ってかわすプレーができていましたが、2、3セット目からは打たれている感じがあって、そこで自分が打ち切れなかったり、風上なのにスピンをかけて決め切れなかったので、そこが敗因だと思いました」 ――良かった点はありますか。 「最後まで打ちにいったのは敗因かもしれないですが、攻めようっていう意識と、相手のことをかわそうっていう意識はありました。最後決め切る力はもっと付けたいなと思いました。大事なポイントでは声を出してガッツのあるプレーができたかなと思います」 山中――今試合の良かったプレーはありますか。「自分の納得いくプレーができなくても、落ち込まずに前向きにプレーできたことです」 ――相手選手の厳しかったプレーを教えてください。「フォアで回り込んで、バックの自分の高いところにずっと打ち続けてくるようなプレーです」READ MORE -
鈴木渚 全日本出場も1回戦で散る/全日本選手権
硬式庭球 2023.10.29山口県予選と西日本大会で優勝し、プロも出場する全日本選手権本戦への切符をつかんだ鈴木渚左(国際3=野田学園)。1回戦の相手は、早大のエース・金子だった。8月の全日本学生選手権で敗北を喫した因縁の相手だったが、リベンジを果たすことはできなかった。 ◆10・28~11・5 全日本選手権(有明テニスの森)▼10・28[女子シングルス1回戦] 鈴木渚 0{4―6、3―6}2 金子(早大)○ 【女子シングルス1回戦:鈴木渚VS金子さら紗(早大)】 終始ゲームの主導権を握ることができなかった。キープ合戦から始まった第1セット。ゲームが動いたのは、2―2で迎えた相手のサービスゲームだった。なかなか攻めてこない相手に対してドロップショットでミスを誘うなど、テクニカルなプレーを駆使して先制ブレークを奪う。しかし「先に自分がブレークしたのに、その後のサービスゲームが、取らなきゃって分かっているからこそ空回りしてしまった」。ゲームを連取して差をつけたいところだったが、1ポイント目からスマッシュを決められ、ゲームカウントは3―3に。その後、互角の戦いを続けたが、ジュースを取りきることができず。「大事な時に取りきれないのはまだまだ自分の経験不足だと思うし、気持ちの弱さが出てしまっている」。流れを変えることはできず4―6で第1セットを落とした。第2セット序盤は互いに一歩も譲らず、ゲームカウントは2―2に。5ゲーム目ではコースを突いたストロークで相手のミスを誘い、ブレークに成功。ゲームカウント3―2で第1セットと同じ展開を迎えた。今度こそキープしたかったが「取らなきゃいけないって分かっているからこそ固くなってしまったり、足が止まってしまったりした」。その後4ゲームを連取され、ゲームカウント3―6で1回戦敗退となった。 全日本選手権本戦に明大が出場したのは吉田明日香選手(令4政経卒)以来、実に2年ぶり。鈴木渚は、先月の関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)と並行しながら予選を勝ち抜いた。「大学の人とは違って、いろいろなタイプの選手がいて楽しかった」。1回戦敗退となったものの、この経験は鈴木渚を成長させたに違いない。11月から始まる関東学生選手権(以下、夏関)でのプレーに期待だ。 [春木花穂] 試合後のコメント鈴木渚――西日本大会では大学テニスとはまた違う相手と戦ってきましたが、いかがでしたか。 「西日本はリーグが終わって次の日に移動という形で、その 1日後か2日後ぐらいに試合が始まったので、試合勘はありました。疲れとかもあったんですけど、やはり大学の人とは違っていろいろなタイプの選手がいて楽しかったです」 ――リーグ戦と並行して予選が行われましたが、いかがでしたか。「気持ち的にまだ試合続くのかっていう思いがありました。西日本大会が終わったらすぐ入替戦もあったので、気持ちのコントロールはすごく難しかったです」 ――夏関に向けて意気込みをお願いします。「夏関はインドア(全日本学生室内選手権)前の学生大会になるので、夏関でどれだけできるかを試しながら、インドアにつながる大会にしていきたいです」READ MORE -
試合後コメント(東京国際大戦)/関東大学女子リーグ1部2部入替戦
硬式庭球 2023.09.18関東大学女子リーグ戦(以下、リーグ戦)は入替戦にもつれ込んだものの、東京国際大に勝利し1部リーグの座を死守した。これにより今年度のリーグ戦は閉幕。こちらの記事では試合後のインタビューをお届けする。 上原真吾監督――1部残留となりましたが、今のお気持ちはいかがですか。 「本当に正直ほっとしたところです。ここ(入替戦)にいること自体悔しいですけど、とりあえず来年また1部優勝や王座(全日本大学対抗王座決定試合)出場を狙えるステージに残れたことは良かったと思います。素直には喜べないですけど」 ――今年度の4年生はどんな代でしたか。 「本来のキャプテンの徳安(莉菜・文4=野田学園)が病気で、結局復帰できない形になってしまったので、そういう意味ですごく(4年生の)2人がやりにくかったのもあったのですが、役職は変えずに、その中で役割を変えながらよく引っ張ってくれたなと。吉田(華菜子・法4=仁愛女子)と南口(亜美・国際4=野田学園)と二人三脚で、下級生や不安なところをうまくつないでくれたんじゃないかと思います」 ――女子全体のリーグ戦の総括をお願いします。 「1番大きいのは鈴木渚左(国際3=野田学園)がS1として、本当のナンバーワンの力というものが、 リーグ戦を通して備わったというのが非常に大きかったですね。だから、最後にS1に回せば可能性があるぞというところが、みんなの号令になったんじゃないかなと。なんとか渚左に回そうと、そこが1つの強さが出たところです。つなぎ合わせる、バトンをちゃんと渡していくっていうことをそれぞれ選手が思ったのが、今までより強いんじゃないかという気はしますね。個の力がチームの力につながった瞬間というか、そういうのが垣間見えたと思います」 南口――リーグ戦を振り返っていかがですか。 「最後のリーグ戦で1番前で引っ張っていくっていうのは、やっぱり3年生までにはないプレッシャーや、自分で自分を追い込んでしまうこともありました。王座優勝目指してやってきましたが、入替戦でなんとか後輩に1部の舞台で来年も戦えるっていう舞台を残せれたことは、最終的には良かったなって思います」 吉田華――4年間のリーグ戦を振り返っていかがですか。 「1年目から王座っていうところを目標にやってきたので、最後入替戦になってしまったのは私たち4年生の責任でもありますし、すごく悔しいのはあるんですけど、しっかり自分は2本取ることができたので個人的には良かったかなと思います。この1年間は個人としても一番成績を残せた年だったので、リーグ戦に向けて成績を残せて臨めたことはすごく自信につながりました。そういった意味では後輩たちにも個人戦から成績を残して、他の大学にとって明大がすごくプレッシャーに思われるくらい、1年間頑張ってほしいなと思います」 鈴木渚――リーグ戦全体振り返ってみていかがですか。 「昨年度はコロナで出られない試合が多かったり、私の体力を気にしてシングルスだけに専念することが多かったりしたんですけど、今年はシングルスもダブルスも全試合出ることができました。S1として不安もあったんですけど、しっかりと戦えて勝てたことは自分の中ですごく大きな自信になったので、たくさん学んだリーグ戦だったなと思います」 ――今後の意気込みをお願いします。 「これから関東学生選手権(夏関)と全日本学生室内選手権(以下、インカレインドア)が控えていて、インカレインドアはまた有明で自分の好きなコートになるので、優勝だけを目指して頑張ります」 丸山愛以(商2=四日市商)――リーグ戦全体を振り返っていかがですか。 「昨年度はS1しか出られない状況でリーグ戦をやって、S1っていうと各大学エース級の人が来て、自分のプレーもできず悔しい思いばかりしてきました。でも今年度のリーグはいろいろ下で組み替えて出ることができて、勝ちをつかんでチームに貢献できたので、ほっとしているっていうか、少し成長したかなと思います」 ――1部残留という結果についてはいかがですか。 「王座を目指してきたチームなので、入替戦にかかってしまったのはすごく悔しいんですけど、でも入替戦を勝ち取って、来年も1部で王座を狙える位置に入ることができたのは、すごくほっとしています」 [春木花穂、渡辺悠志郎、久保田諒、保坂啓太郎]READ MORE -
東京国際大に見事勝利! 1部の意地を見せつけ残留果たす/関東大学女子リーグ1部2部入替戦
硬式庭球 2023.09.18関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)の最終戦から約1週間を空け、2部リーグ戦を2位で終えた東京国際大との入替戦が行われた。吉田華菜子(法4=仁愛女子)・鈴木渚左(国際3=野田学園)組が勝利を挙げダブルスを1―1で終えると、シングルスでは相手に1勝も許さず3本を連取。最終スコア4―1で試合を制し1部の座を守り抜いた。 【D1吉田華・鈴木渚組VS大坪花・星野桃花組】 明大のD1は入替戦でも圧倒的強さを見せつけた。「今までやってきたことを信じて、もうあとはやるだけだという気持ちで臨んだ」(吉田)。この1年間、多くの試合を通して自分たちのプレーに自信をつけてきた2人。立ち上がりから、鈴木がストロークで崩し吉田のボレーで決めるというそれぞれの強みを生かしたプレーで2ゲームを連取する。「ファーストセットは相手のミスもあり、自分たちのペースで取ることができた」(吉田)。その後1ゲームを取り返されるも、それ以降は相手にゲームを与えることなく第1セットを6―1で獲得した。 このままの勢いで勝ちまで持っていきたい2人だったが、相手もそう簡単には1勝を譲ってはくれない。「セカンドセットでは相手がしっかりと考えてプレーしてきてミスが減った」(鈴木)。第1セットの反省を生かしてきた相手に対し逆にミスを重ねてしまい、第2セットはお互いにゲームを取り合い続ける展開が続く。そのような試合展開の中でも「お互いに声を掛け合ってプレーするようにしていた」(鈴木)とペアで支え合うことを意識。そしてゲームカウント5―4で迎えた第10ゲーム。吉田・鈴木組の強みである自分たちから積極的に攻める攻撃的なテニスで次々とポイントを重ねていく。最後は吉田がバックハンドのストレートをライン際に決め、第2セットを6―4で獲得。チームを勢いづける大きな1勝を挙げて見せた。 【S2南口亜美(国際4=野田学園)VS大坪花】4年生として最後の団体戦で風格のあるプレーを見せた。「打てるところはしっかり打っていこうと思った」。フォアハンドの強打で得点を重ね、ジュースに持ち込まれるも最初のサービスゲームをキープ。「長いラリーでは相手が痺れを切らしてミスしてくれたので、とにかく我慢した」。勢いそのままにブレークを決め、6―2で第1セットを獲得。続く第2セット、流れに乗りたい場面だったが湿度の高いじめじめとした暑さが体を襲う。「カウント1―1で足が、その後に腕もつってしまい取れないと感じた。最終セットに向けて自分のペースを保つことを意識できていたので悪くなかったと思う」。第2セットを2―6で落とすも、前向きに切り替えた。運命の第3セット、相手を追い込む気迫のプレーを見せるもジュースの末0―2と先制を許す。しかし、ここから南口の反撃が始まる。「思ったよりも体が動いてきたため焦らずに相手が嫌がるスライスで揺さぶった」。スライスで相手を崩しネット際まで詰め、飛びついたボールはサイドライン上に落ちた。多彩なショットで攻め切り4ゲームを連取。5―4とリードしたが、打ち切りとなった。 打ち切りのため勝利とはならなかったが、4年生らしい粘り強いプレーを見せた南口。「リーグ戦で引っ張っていくことはプレッシャーで自分を追い込んでしまうこともあった」。徳安莉菜女子部主将(文4=野田学園)が療養のため不在の中、副将として1部リーグの座を守り抜いた。 女子部のリーグ戦成績は1部残留となり、全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)への挑戦は4年生から下級生に託された。リーグ戦を終え代替わりを迎えるが、この後は関東学生選手権と全日本学生室内選手権が残っている。全力で前に進む明大テニス部から目が離せない。 [久保田諒、保坂啓太郎]READ MORE -
リーグ最終戦 早大に敗れ入替戦への出場決まる/関東大学女子1部リーグ戦
硬式庭球 2023.09.10雨の上がった有明で熱戦が繰り広げられた。関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)最終戦の相手は強豪・早大。シングルスでは鈴木渚左(国際3=野田学園)が勝利を収める。吉田華奈子(法4=仁愛女子)は第3セットのタイブレークまで粘り抜くも惜敗。最終スコア1-6で敗れ、リーグ戦は5位で終了。入替戦への出場が決定した。【D2南口亜美(国際4=野田学園)・藤永萌花(文1=野田学園)組VS金子さら紗・田邑来未組】(写真:喜びを分かち合う南口(右)・藤永組) 笑顔を絶やさず戦い抜いた。「亜美さん(南口)と組むのは(今試合で)最後。楽しもうというのが大前提だった」(藤永)。第1セット、相手の鋭いサーブやストロークに翻弄(ほんろう)され、開始早々2ゲームを連取される。そのような状況でも互いに明るく声を掛け合った。迎えた第3ゲームは両者の力が拮抗(きっこう)するラリー戦に。息の合った連携プレーでジュースに持ち込み、藤永のサービスエースでゲームを奪うことに成功。その後のゲームもジュースが6回連続するなど両者譲らぬ展開となる。しかし、早大のスキを突くショットや強烈なボレーにあと一歩及ばず、このセットはゲームカウント2―6で落とした。 負ければ後がない第2セット。ゲームカウント0―2で迎えた第3ゲーム。相手のミスを誘うラリーで1ゲームを奪取した後、南口のボレーと強気のストロークが輝き攻めの姿勢で3ゲームを連取する。「ボレーにボレーで決められたところが良かったと思う」(南口)。自身の強みであるボレーで早大からリードを奪い、勝利に一歩近づいたように見えた。しかし、その後はつかみかけていた流れを手放してしまい、ゲームカウント3―6で敗戦を喫した。 早大への敗北で、入替戦の出場が決定。それでも南口は「試合に出た選手はしっかりその仕事をやりきること、サポートメンバーになった人は元気に最後まで応援することで絶対勝てると思う」と前向きに意気込んだ。ここまで来たらもう後がない。決死の想いで1部残留を誓った。【S3吉田華菜子(法4=仁愛女子)VS梶野桃子】 吉田が試合に入る時点で相手は5勝していたため、既にチームとしての負けは決まっていた。だが「チームの負けは決まっていても、この試合は絶対に取る」。過去、ストレート負けを喫したことがある相手に対し、最高学年としてのプライドと誇りを胸に試合に臨んだ。しかし第1セットは最初のゲームで5回のジュースを取り切れず落としてしまう。その後も一つしかゲームを奪えず、1―6でこのセットを落とした。 だが、吉田の強さはここからだった。「我慢しながら1球でも返し、走り負けないことを意識した」。第2セット、低い球筋での速いラリーに食らいつき、相手のミスを誘っていく。第2ゲームでは再びジュースが繰り返される展開となるも、今度は正確なライン上のショットで取り切ることに成功。次のゲームも高い打点からのサーブでキープし、ゲームカウント3―0とする。続くゲームでは狙い球をアウトとするなどミスが目立ち3―4まで持っていかれるも、意地のプレーで5―4と逆転を果たした。第10ゲームでは前に出た相手のサイドを抜く巧みなショットも披露し、6―4で第2セットを奪う。 日没と反比例するように明るく盛り上がる応援を背に迎えた第3セット。「ここまで来たらやるしかない」と吉田自身の熱も最高潮だった。しかし相手も負けてはいられない。お互い気迫のプレーを見せ、ゲームを取り合っていく。5―5で迎えた第11ゲーム。強烈なバックハンドでの逆クロスの後にはバックハンドのストレートを見せ相手に得点を許さない。お互いが譲らぬまま、ついにタイブレーク突入。観客の男子部からも声が漏れ出てしまうほどコース抜群のショットで3連続得点を果たした。だが、その後は相手のペースだった。一気に6連続ポイントを奪われ、最終スコア1―2でゲームセット。長時間の激闘をモノにすることはできなかった。 試合には敗れたものの「こんなたくさんの応援の中プレーできてすごく幸せ」。保護者やOBOG、先にリーグ戦が終わった男子部も応援に駆け付け、チームを鼓舞していった。結果としては振るわなかったものの、拍手あふれるコートでの試合は吉田の原動力となったはずだ。次の入替戦が吉田にとって最後の団体戦。「4年生としての役割をしっかり果たしたい」。チームメイトの応援を胸に、吉田が足を止めることはない。 リーグ戦を5位で終え、入替戦突入が決まった明大。「1部としての意地を見せ付けたい」(吉田)。リーグ戦5試合で培ったチーム力を武器に、1部残留を目指す。[高橋佳菜、髙橋未羽]試合後のコメント南口――ゲームの間やセットの間にどのような気持ちの切り替えをしていましたか。 「毎回毎回落ち込んでたらキリがないので、すぐ笑顔で切り替えようっていう話と、ボレーで決めていくプレースタイルなので、最後にボレーで決められるような配球を考えたりだとか、決めごとを話していました」 ――笑顔が印象的でした。 「そうですね。私は結構落ち込んでしまう癖がありますが、萌花(藤永)はずっと明るく強気な性格なので、そこに乗っかって、相乗効果で楽しくプレーしていました」 ――相手のプレーはどのようなものでしたか。 「相手はダブルスのプレーをしてくるわけではなく、それぞれストローク、サーブ、リターンをきちっとやってくるところが、強かったです。私たちは締まり切らないというか、決め切れなかったりした部分があって、その差が相手との勝敗を分けたのかなと思います」 藤永――応援はどのように受け取りましたか。 「いつも明治側は拍手が人数の関係で小さかったりするのですが、今日はどのコートよりも一番大きくて、それは自分的にもすごく力になったし、ミスをしたとしても次やるぞ、次があるぞという気持ちなれたので、応援の力というのはやっぱり大事だなと改めて感じました」 ――入替戦へ向けて意気込みをお願いします。 「残り1週間ほどですが、そこに向けてしっかりみんなで調整していって、試合に出る、または出ないとしても、自分の立場を全うして、必ず勝ちます」 吉田華――第2セットで逆転できた理由を教えてください。 「3―4までいってしまったのが自分の単発のミスというか、リードしているからこそ狙いすぎてしまった部分もあったので、一度我慢しながらじわじわ攻めていこうと思ってやった結果、5―4まで立て直すことができたのだと思います」 ――入替戦に向けて、残りの期間どのような意識で過ごしますか。 「去年に引き続き入替戦となってしまいましたが、1部としての意地をもう一度見せ付けたいと思います。今回は5位という結果でしたが、レベルアップした人もいれば悔しくて次につながる思いをした人もいると思うので、この期間を大事に使って、もう1回みんなで頑張りたいですし、私も次が本当にラストなので、4年生としての役割は果たしたいなと思います」 村松果奈(国際2=北陸学院)――リーグ戦初試合に臨む前はどのような気持ちでしたか。 「めちゃくちゃ緊張しました。でもいろんな人が思い切りやってこいと言ってくれたおかげで、気持ちは楽になりました」 ――入替戦に向けて、チームの中でどのような立ち位置でいたいですか。 「入替戦は絶対勝ちたいという思いが強いので、どの仕事、どの役割になったとしても周りを見て自分から行動できる存在でありたいです」READ MORE -
試合後コメント(日大戦)/関東大学男子1部リーグ戦
硬式庭球 2023.09.08関東大学男子1部リーグ最終戦、対日大戦では1―8で敗北。最終順位4位でリーグ戦に幕を下ろした。こちらの記事では試合後のインタビューをお届けする。 滝口伊和生助監督――4年生の活躍を振り返っていかがですか。 「みんな、キャプテンの大夢(横田大夢主将・政経4=足利大付)を中心にまとまって、よく頑張ってくれたと思います。オーダーを決めるときに4年生の思いと、スタッフの思いですれ違うところもありましたが、4年生の思いが最終的には我々スタッフに伝わってきて、4年生の考えたオーダーを重視してやりました。4年生も1戦1戦、勉強して、成長している感じでした。自分たちが初めて1番上になって、重圧に耐えながら、いろんなことをして、1戦1戦、負けもあり、勝ちもありで、成長しながら、ちゃんとやり切ることができたと思います」 ――特に活躍した選手や今後注目の選手を教えてください。 「S6で出た2年生の今里(翔吾・営2=海星)は2年生ながら、よく勝ち切ってくれたと思います。今日は負けたけど、早稲田戦といい、中央戦でもよく勝ってくれました。あとはD2の松本も、最初の序盤戦はあんまり良くなかったんですけど、後半になるにつれてだんだん動きも良くなってきて、自分のパフォーマンスを最大限に発揮できたかな。やっぱり、その2人の功績は大きいかなと思います」 ――今年度のリーグ戦を通して良かった点と課題を教えてください。 「良かったことは、入れ替えにかかるようなギリギリの5位6位ではなく、ステップアップして4位に入れたっていうことです。悪かったところは、早稲田に8―1で勝ってる割には、慶大や日大に完敗したところ。そこはやっぱり団結力、チーム力を強化しなければならないと感じました」 ――今試合で代替わりを迎える4年生に向けてメッセージをお願いします。 「4年間、どうもお疲れ様でした。苦楽を共にしてきてね、本当によく頑張ってくれました。社会人になっても、明治でやったことを忘れずに、頑張ってほしいな。寮生活でいろんな理不尽なことがあったと思うんですけど、そういうことにも耐え、しっかり生活できたということは、社会に出てもしっかり生活できると思うので、自信を持って社会人になってください」 ――全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)に出場するために明大が必要なことは何だとお考えですが。 「まず個を鍛えなくてはいけないと思います。明治は他大学に比べて、インカレ資格を持っている選手が少ないです。やっぱり資格が試合に出るときの自信になったりもするので、個人戦でもっとみんなが勝てるようにしなければならないと思います。だから『もう戦いは、今日から始まっている』と言っていたスタッフもいましたが、まさしくそうだと思います。やっぱりテニスは、今回は団体戦とはいえ、個人スポーツなので、個がしっかりすることが必要で、そこがしっかりしてくると、人間力みたいなのが出てきて、みんながその選手をサポートしてあげようと思うようになったら、もっと強くなるのかなと思います」 横田――主将としてリーグ戦を総括していかがですか。 「今年はダブルスを強化していて、ダブルスを3―0、2-1でシングルスにつなぐことができていれば結果が変わってきたのかもしれないと思っています。そこが1年間を通して主将として足りなかったし、もっと徹底してやっていくべきだったのかなと思うので素直に悔しいです。このリーグ戦を通してレベルアップしてもらいたい、いろんな選手にチャンスを与えたいという狙いもありました。S6の今里は、個人戦はあまり結果が出ていないんですけど、今回のリーグ戦でも1番ファイトして『あいつ勝ってくるんじゃないか』という雰囲気を漂わせたり、早稲田戦の時は苦しい場面から勝ち切ってくれたりしました。山中(朝陽・文2=四日市工)も関東学生トーナメント(以下、春関)では2次予選で負けて有明には来られてないですけど、法政戦の時にしっかり勝って4-4で回してくれました。そういった意味では来年につなげることができたのかなと思います」 ――後輩へメッセージをお願いします。「リーグ戦に関しては今年から有明になって、メンタル面やフィジカル面で僕らも想像ができなかったことがたくさん起きたんですけど、だからこそ来年は今年よりは戦いやすい、いいイメージができて臨めるんじゃないかなって思うし、3年生以下の人たちは、うまく今年学んだことを生かしながら来年のリーグ戦に臨んでもらいたいなって思います。全体を通しては、やっぱり無理しすぎちゃうと、どっかでガタが来て積み上げてきたものがなくなってしまうので、明治大学には明治大学のやり方、勝ち方っていうのがあることを明確にして、1日1日の過ごし方を考えてもらえたらいいかなと思います。どんな環境から来た人も明治大学に適応して王座に行けて、毎年王座に行くようなチームができたら、1番最高だと思います。テニスの強さだけじゃなくて、人間性も整っている明治大学がやっぱり王座に優勝して、学生のトップに立つべきだと思うので、今の3年生以下の人たちには達成してもらいたいなと思います」 坂井修造(理工4=湘南工科大付)――今試合で良かった点を教えてください。 「10ゲーム連取されていた相手に対して3ゲーム連取できた時に良かった点としては、本当に全力で声を出すこと、全力で走ることを心掛けることができた点です。やっぱりテニスはプレーもそうですが、気迫の部分で相手を押し切ることが結構あると思うので、その点で連取できたゲームに関しては自分の方が相手より圧倒的に気迫があって、気持ちの面で押すことができたのだと思います。『このまま終わりでいいのか、15年間の集大成がこれでいいのか』と思ったら『良くないだろ』って思って、もう自分の格好とかにこだわらずに全力を出しきれば、負けても『まあ頑張ったな』って思えるので『そういう試合をしたいな』って思って切り替えることができました」 ――同期へメッセージをお願いします。 「本当にありがとうの一言です。慣れない寮生活というのもあって、1年生の時にテニスをやめたくて、コート上で当時の主将に『もうテニス嫌いでやめたいです』って泣いたことがあって、そのくらい本当に苦しい時期もあったりしました。去年のリーグ戦ではメンバー入りすらできなくて、その時にもういいのかなって思ったりもしたのですが、やっぱり同期はほんとにチームのことを考えて勝つための行動をしている人が多くて、話し合いもたくさんしました。その点で自分一人では頑張れなかったんですけど、同期がいてくれたおかげで頑張れたので、ありがとうっていう気持ちです」 ――後輩へメッセージをお願いします。 「僕らは1年間王座優勝を目標に掲げていたのですが、慶大に0-9で負けてしまって、実力が足りなくて全然成し遂げられなかったので、後輩たちには来年こそは、目標に向かって頑張って成し遂げてほしいなっていう風に思います」 副田温斗(営4=四日市工)――ファイナルセットの時の心境を教えてください。 「相手に突き放されないってことを第一に考えていて、取られてもすぐ取り返す気持ちで、スーパータイブレークに入りました。いい形でポイントを取っても、連続でポイントが取れてなかったので、それに対しての気持ちの上ぶれが出てしまったのですが、横で応援してくれているみんなの顔を見たり、ベンチコーチの顔を見たり、洵(松本洵・法2=松商学園)としっかり話し合いながらプレーができました。最後の大事なところで取り切れなかったのは、やっぱり今の明治の弱さでもあると思うので、そこが非常に悔しかったです」 ――4年間を振り返っていかがですか。 「コロナから始まって、1年目はなかなか試合もない状態で、いざ大会が始まった2年生の時に、結構大きなケガをしてしまいました。そこからなかなか大学テニスに入り込めないなか、大学生活のテニスがスタートしたなっていう感じがして、4年生の時も、同じようなケガをしてしまったので、思うような4年間ではなかったです。しかしインカレ(全日本学生選手権)やインカレインドア(全日本学生室内選手権)でしっかり結果を残すことができて、こうして後輩と最後にリーグ戦で組んで、なかなか勝てなかったんですけど、1勝することができました。なので、本当に僕としてはいい4年間だったなと感じています。後輩たちには来年またこの有明に戻ってきて、しっかり戦ってもらいたいなっていう風に思います」 飯田翔(商3=足利大付)――高校からのダブルスペアが終わりを迎えると思われますが、いかがですか。 「僕は、大夢さんと組んだらなんか勝てると思っていて、そのなんかっていうのは、僕が持ってないところを大夢さんが持っていたり、大夢さんが持ってないところを僕が持っていたりっていう、お互いがお互いの弱いところをカバーできていたから勝てたというのもあるし、試合になった時の相性がすごくいいんだなって感じました。高校から組んでいるのもあるんですけど、お互い信頼しているので最後まで勝てたんだと思います」 ――代替わりを迎え、最高学年になりますが、来年度に向けて意気込みをお願いします。 「僕たちの代は4人しかいなくて、その4人は、今年もリーグ戦を全員経験していて、テニスの強さでチーム引っ張っていけるようにしたいっていうのと、同期が少ない分、協力していいチームを作りたいと思います。リーグ戦では王座出場を目指したいですが、毎年初戦で負けたりとか、大事なところを落としたりしているんで、まずは初戦絶対勝つ、そしてチームにいい流れを作るっていうことだけを目標にします。初戦の大切さを、今年全員が感じたと思うので1戦目にかける思いを全員に再認識させて、強いチームを作りたいと思います」 松本――リーグ戦最終日を終えた今のお気持ちはいかがですか。 「5戦全て起用していただけて、その中で1勝4敗っていうのがすごく悔しくて、やっぱりリーグで1勝を取る難しさを感じました。リーグの雰囲気とかに慣れるのも本当に難しかったですが、出させていただいたからにはそこで勝つのが使命だと思うんで、勝ってチームに貢献できなかったのは、悔しい気持ちでいっぱいです」 ――代替わりですが、今後はどのような選手になっていきたいですか。 「僕の取りえは、チームの雰囲気を良くしたり、コート内から声を出して、チーム全体の雰囲気を良くしたりすることだと思うので、そういう選手になりたいです。次の4年生が4人しかいない状態で大変だと思うし、その4人だけじゃ手の届かない範囲もあると思うんで、上級生になった僕たちが、協力的になってチーム全体をまとめなきゃいけない存在になると思います。その自覚を持って、来年は3年生だから4年生に任せるっていう気持ちじゃなくて、自分たちもチームのことを第一に考えて、またここに戻って王座を決められるようなチームにしていきたいと思います」 ――ありがとうございました。 [渡辺悠志郎、井手満菜、大橋英晃]READ MORE -
リーグ最終戦 日大に敗北し4位で終幕/関東大学男子1部リーグ戦
硬式庭球 2023.09.08リーグ戦3連勝には届かなかった。関東大学男子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)最終戦の相手は、昨年度に1部昇格を果たしたばかりの日大。ここまででリーグ戦1敗のみの強敵に、ダブルスでは全試合全セットでタイブレークに持ち込み食らいつく。しかし、全9試合を通して勝利したのはダブルス1組のみ。最終スコア1-8で敗北し、今年度のリーグ戦を4位で終えた。 【D2副田温斗(営4=四日市工)・松本洵(法2=松商学園)組VS石垣秀悟・手嶋海陽組】(写真:ガッツポーズをする副田(左)・松本組) 大接戦となった最終日。相手は昨年度の全日本学生室内選手権で準優勝したペアであった。第1セットから互いにキープしあう試合展開となる。ゲームカウント6―6で迎えた7ポイントタイブレーク。「チャレンジャー精神で試合に臨むことができた」(松本)。攻めの姿勢を失わず、強気なプレースタイルで相手を翻弄(ほんろう)。大きなガッツポーズで第1セットを勝ち取った。 続く第2セットもお互いにキープしあう展開になった。そのまま7ポイントタイブレークを迎えるも、「相手に流れが行きかけてしまった」(松本)。4―7でこのセットを落とし、10ポイントタイブレーク方式で行われるファイナルセットにもつれ込んだ。「相手に突き放されないことを第一に考えてプレーした」(副田)と、相手にリードされる展開でも必死に食らいつくも、8―10で惜敗。最終戦を勝利で飾ることはできなかった。 今回のリーグ戦をもって代替わりとなる4年生の副田は試合後、涙を見せた。「肩の荷が下りてホッとしたのと、リーグ戦全体を通してダブルスでなかなか勝ち越せなかったので、僕がもう少しやれていればなという思いが込み上げてきた」(副田)。また、4年間を振り返り「コロナ禍もあり、2年生の時にはケガをしてしまったこともあった」(副田)。順風満帆とは言えなかった大学生活だが、3年次には全日本学生選手権や全日本学生室内選手権でベスト4の成績を残すなど数々の快挙を成し遂げた副田。「来年またこの有明に戻ってきて、しっかり戦ってもらいたい」(副田)。後輩に応援のメッセージを残し、4年間の様々な思い出を胸に、有明の地を去った。 【D3横田大夢主将(政経4=足利大付)・飯田翔(商3=足利大付)組VS齋藤成・丹下颯希組】 有終の美を飾った。2019年度のインターハイ復で準優勝を飾った足利大付高出身ペア・横田・飯田組は、明大でも多くの勝ち星を挙げてきた。ペアを組むのが最後となる今試合は「いつもよりも絶対勝ちたい、そして自分たちが勝ってチームを勢いづけられるという気持ちで試合に臨んだ」(飯田)。ダブルス3試合、シングルス6試合の勝ち数で争われるリーグ戦において、前半のダブルスの勝利は大きな意味を持つ。明大屈指のダブルスペアは、その役割を最後まで全うしようとしていた。 出だしの第1セットは、開始早々ブレークに成功。最初の2ゲームを連取すると、その後も横田のサーブや2人の連携がかみ合いゲームカウントで先行する。しかし、相手も多数の部員が在籍する日大でD3を任される実力者ペア。横田のサービスゲームであった第10ゲームではポイント40―0から3度のジュースの末に逆転を許し、カウントは5―5に。「勝負どころになったときに、僕があまりいいプレーができなかった」(横田)。そのまま、両者一歩も譲らないまま試合はタイブレークに突入する。そんな接戦の中でも「タイブレークにいったら勝てる」(飯田)。これまで数々の経験をしてきた横田・飯田組の力は勝負どころでさえていた。集中力を切らさず、ポイント7―5でこのセットを奪取した。 続く第2セットでも、相手の猛追は止まらない。ゲームカウント5―3から2ゲームを連取されると、勝負は再びタイブレークへ。相手にポイント4―6とセットポイントを握られるも、そこから3ポイント連取。最後は飯田のサーブからポイントをもぎ取り、セットカウント2―0でストレート勝利を収めた。 明大では、コロナ禍の影響でリーグ戦の代替試合となった2021年度の王座出場校決定トーナメント3位決定戦・対法大戦よりペアを組み始めた横田・飯田組。この試合を含めて団体戦D3では10戦全勝の無敗という圧倒的強さで大学テニスの戦いを終えた。「飯田がいなかったら僕は大学生活で団体戦に出ることはなかったんじゃないかなと感じる。僕はもう飯田ありきの高校生活、大学生活だったなと思うので、もう素直に感謝しかない」(横田)。「お互い信頼しているというか、試合中に『ま、大丈夫だろう』とお互いが思っているからやっぱり最後まで勝てた」(飯田)。最後まで互いに頼り合い、支え合った明大最強のD3。ポイントを勝ち取るたびに見せる彼らのガッツポーズ。勝利するたびに見せる彼らの弾けんばかりの笑顔。彼らの戦いは選手や観客、そして私たち記者の心の中にも深く刻まれている。【S5坂井修造(理工4=湘南工科大付)VS手嶋海陽】(写真:ガッツポーズをする坂井) 坂井にとって15年間のテニス人生を締めくくる最後の試合。「4年生が最終戦に出る意味は勝つことしかないと思っていた」。しかし第1セット、どんなボールでも逃さない粘り強い相手のプレースタイルと鋭いコースに翻弄(ほんろう)されてしまう。「ストローク力が(相手に)及ばなくてレベル差を感じた」。関東学生選手権ダブルス優勝の実力者を相手に1ゲームも獲得できないままこのセットを落としてしまう。続く第2セットもサービスゲームのキープすらできず、このままストレート負けを喫するかと思われた。しかし「このまま終わりでいいのか。15年間の集大成がこれでいいのか」。そう自問自答し、己を奮い立たせると、坂井はプレースタイルを変更。「自分のプレーを捨てて、とりあえず走って粘って声出して、形にこだわらず、泥臭くいこうと思った」。 第5ゲームで初キープに成功すると、そのまま3ゲームを連取。3―6で第2セットも落とし、結果は敗北に終わるも「やりきったな、という気持ちの方が大きかった」。試合後、坂井は満足げな表情でコートを後にし、15年間のテニス人生に幕を下ろした。 「テニスが嫌いになって、やめたくてコート上で泣いてしまったことがあった」。コロナ禍でさまざまなことが制限されるなか、思うような結果が出ず、辛酸をなめた1年次。また、3年次にはリーグ戦のメンバー入りを果たせず、悔しい思いをしたこともあった。数々の挫折を乗り越え、シングルス出場者唯一の4年生として挑んだ今年度のリーグ戦。32年ぶりに勝ち星を挙げた早大戦では「テニス人生で一度も勝てなかった幼なじみに勝利することができた」。チームに1勝を献上し、明大の歴史的快挙に貢献。4年間の大学テニス人生、そしてこのリーグ戦が、坂井がこれから歩む新たな一歩の活力になることは間違いないだろう。 「来年度につなげるためのリーグ戦ということにはできた」(横田)。リーグ戦最終結果は昨年度と同じく1部4位。目標である全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)出場には及ばなかったが、強豪・早大を相手に32年ぶりの勝利を収めるなど収穫もあった。今大会をもって硬式庭球部は代替わり。ここからは新体制で今後の大会に臨んでいく。最終戦まで王座出場の可能性を残した今大会の経験を糧に、より強いチームへの成長に期待がかかる。 [渡辺悠志郎、井手満菜、大橋英晃] 試合後のコメントはこちらからREAD MORE
アルバム ALBUM
部の紹介 INTRODUCTION
1905年に創部した硬式庭球部。明大で最初に発足した5部の一つだ。西調布の合宿所を拠点に、日々厳しい練習に励んでいる。技術面だけでなく〝テニスを通した人間教育〟を目指し、 数多くの卒業生が世界で活躍中だ。歴代OBとしてオリンピック選手、全日本選手権優勝者を輩出。また、数多くのインカレ優勝者が所属し、全日本大学対抗王座決定試合(王座)連覇の実績がある。女子部は2003年に創設され、15年目の2017年に初めて1部へ参戦。王座の男女アベック優勝を目指し、選手たちの奮闘は続く。